第三章
大尉がエドアルト、シャルロッテ夫妻の屋敷に来る。到着前に大尉からの手紙を読んで、シャルロッテは大尉の人柄に安心感をもっている。久しぶりの再会でエドアルトと大尉は活発に語り合う。夕方になってシャルロッテは大尉に新しい庭の散歩を勧める。丹精を込めたシャルロッテの庭を大尉は大いに気に入る。東家 ⎯ それは苔葺の小家だったが、シャルロッテは二人のために飾っていた。男たちの会話の中から、大尉とエドアルトがいずれもそのファーストネームがオットーであることがわかる。屋敷の方角から猟笛の音が聞こえてきたとき、三人はお互いのつながりに深く幸福を感じる。
エドアルトは東家からさらに見晴らしのいい丘の頂上へと大尉を案内する。頂上へと通じる段々や坂道はシャルロッテが手入れをしたものである。その山峡の中を渓流が池にそそいでいた。池の傍らには居心地のいい休憩所のように水車小屋が立っている。そこから見渡せる見事な眺望を前にエドアルトは友人に子供の頃の思い出を語る。
やがて三人は満ち足りた思いで屋敷へと戻ると、大尉にはその右翼の広い一部屋があてがわれた。大尉はその部屋に書類や書物などを整えて仕事ができるようにした。エドアルトは初めの数日間は大尉を連れて馬や徒歩で所有地の一帯を案内して回る。エドアルトは所有地を有利に使うために測量術に長けた大尉に計測の計画を打ち明ける。エドアルトはそこで大尉から妻シャルロッテの庭園づくりの素人ぶりを指摘されるが、大尉はシャルロッテの自信を傷つけてはいけないと口止めする。しかし初めの間こそ口には出さなかったが、エドアルトはとうとう堪えきれずに男たちの庭園の構想を話してしまう。シャルロッテはそのことで動揺し、それまでの庭づくりの楽しみを失ってしまう。
一方で男たちは貴族的な暮らしぶりに耽ったので、シャルロッテは日増しに心さびしくなりゆき、それを紛らわすかのように、姪のくらす寄宿学校との手紙のやりとりを交わす。
寄宿学校から届いた女校長と助教師の手紙によって、姪のオッティーリエの寄宿学校での生活の様子が伝えられる。オッティーリエが食事を十分にとらないこと、偏頭痛もちであることなどが明らかにされる。
女校長の手紙に添えられた助教師からは、オッティーリエがフランス語の授業に抜きん出ていること、将来教師をめざしていることなど、しかし、シャルロッテは助教師がオッティーリエについて、まだ若く固い将来を秘めた果実にたとえて書いて寄越したことに、教え子に対する好意以上のものを感じて微笑まずにはいられない。
J.S.バッハ: クリスマス・オラトリオ 第10曲 BWV 248:シンフォニア(第2部)[ナクソス・クラシック・キュレーション #特別編:クリスマス]
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