7月1日の複数のスーパーマーケットの折り込み広告には半夏生(はんげしょう)の3文字が躍っていました。モーリタニア・モロッコ産の蒸しタコのカラー写真の横にやや大きい字で半夏生とあり小文字でつぎのような説明がありました。夏至から11日めの7月2日は半夏生です。田に植えた稲の苗がタコの足のように大地にしっかりと根をはり豊作になるようにと願う農村行事が起源となり、おもに関西ではこの時期にタコを食べる習慣ができました。
同じ日の朝刊一面のコラムも半夏生でした。昔は農作業の区切りとして利用され、田植えも半夏生までにはすまさないと凶作になると言われた。半夏生の名は半夏と呼ばれたサトイモ科の多年草、カラスビシャクが生えるころという意味らしい。ところが同じころに白色の小さな花をたくさんさかせるドクダミ科のハンゲショウもあるからややこしいとコラムにありました。
二十四節気の他に日本の暦用語にはつぎのような季節の移り変わりの目安となる日があります。土用、節分、春の彼岸、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日、秋の彼岸、などがそれです。半夏生はそのような「雑節」の一つです。春、夏、秋、冬の土用とはそれぞれ節気の立春、立夏、立秋、立冬の直前の18日間のことです。
我が家近くの鈴木忠司さんのオープンギャラリーで実際的な情報を得ることができます。それによると 「暦の入梅は6月11日で樹木のアジサイ、ムラサキシキブに野草のオカトラノオが咲くと梅雨入りになる。梅雨の時期は節気で芒種、夏至、小暑の約40日間になる。梅雨明けは7月18日頃でヤマユリが咲くとほぼ明ける」 とあります。つまり梅雨の中間点が半夏生ということがわかります。鈴木さんの撮影したドクダミ科のハンゲショウを見て、さっそく身近にあるその現場を一人で訪ねました。最近はこのような作業が私の生活の一部になりました。