MLBの前半戦で私は忘れられない2つのプレーを目撃することができました。いずれも私の応援するRソックスの選手のフェンウェイ球場におけるプレーですが野球を愛する人ならだれもがそれを称賛するであろうと思われます。一つはヤンキース戦における俊足のエルズベリー(25)の満塁からのホームスチールです。ピチャーは左腕のペティットでした。球場は騒然となりました。あと一つはロイヤルズ戦におけるドルー(34)の勇気ある守備です。ロイヤルズの攻撃が満塁の場面で右翼手ドルーの前にライナーが飛びます。前進したドルーがワンバウンドで捕球し一塁ではなく本塁へ前のめりになりながらの矢のような送球をしてホースアウトです。記録はライトゴロでもし後逸していたらランナー一掃の場面でした。
フェンウェイ球場は 「全米で最も愛されているボールパーク」 と呼ばれているそうです。限られた土地に建設したためフィールドは左右非対称ないびつな形です。場外に道路がある左翼側は狭いため、高さの11メートルのフェンスができました。これが名物のグリーンモンスターです。このフェンスにあるスコアボードはいまだに人力で得点が掲示されます。この人力がなかなかいいのです。03年5月15日以来連続でチケット完売でこれまでのインディアンスの455試合を抜き大リーグ記録を更新中です。収容人員は約3万6000人です。
捕手でキャプテンのバリテック(37)は帝政オーストリアの金箔を多用した画家のグスタフ・クリムトに似ています。二塁手のダスティン・ペドロイヤ(25)は映画俳優のダスティン・ホフマンを連想します。小さい体でアッパー気味のフルスイングが魅力です。スキンヘッドで口髭をたくわえた汗っかきの主軸打者ユーキリス(30)は打席でのタイミングをとるしぐさが独特です。カナダ出身の長距離打者ジェイソン・ベイ(30)は憎めないポーカーフェイスで予期せぬところでホームランを飛ばします。投手では遅い魔球のナックルを投げるウェイクフィールド(42)は珍重すべき存在です。勝ちも多く今回のオールスターに選ばれましたが出番がありませんでした。魔球を受ける捕手が大変なのです。その他にも面構えのいい選手が目白押しでチーム内の競争も激しい模様です。
昨年Rソックスが放出したドミニカ出身の強打者ドジャースのマニー・ラミレスは今年禁止薬物使用で50試合の出場停止処分を受けました。Rソックス球団の充実した経営がうかがえる事件でした。今年の年俸総額ランキングによると①ヤンキース(201億円)②メッツ(149億円)③カブス(135億円)④Rソックス(122億円)・・・25位レイズ(63億円)・・最下位30位マーリンズ(36億円)です。下位のフロリダ州の2球団の観客動員数が増加中といいます。高年俸のスターを集めることが成績や観客動員に必ずしも結びつかないようです。日本プロ野球では①阪神(35億円)②ソフトバンク(33億円)・・意外にも⑤巨人(27億円)・・やはり最下位⑫広島(14億円)です。