私の住む地域では震災後に公民館などの公共施設はすべて閉鎖されていた。約3時間の計画停電はこれまで3月中は16日、17日、18日、22日の4日間実施されただけである。ようやく4月1日の金曜日から公共施設は夜間を除き利用可能とされた。最近では日用品の米や牛乳あるいはトイレットペーパーの棚が空っぽになることも少なくなった。ただ主力産地の茨木が被災した関係で納豆が品薄気味のようだ。ニュース番組はいつも福島第一原発で始まる。
宮城県松島湾の震災後の映像を見た。私はまだ芭蕉の奥の細道にもあるこの景勝地を訪れたことがない。この松島湾の二重にも三重にも重なる島々は、押し寄せる大津波に対して緩衝帯の役割を果したらしい。そのために町の被害は軽減されたという。ある湾では海底が深さ10メートルもえぐられたという調査結果が出て港湾施設の点検の必要性が提言されている。また他の湾では行方不明者捜索者のため潜水してみると泥による視界不良の中、おだやかに見える海面のその下には多くの家屋や車などのおびただしい残骸が確認されているという。
4月1日のNHKのBSテレビは午前9時からMLBのジャイアンツ対ドジャース戦を中継した。各球場では開幕のセレモニーに先立ち日本の大震災の犠牲者に黙とうが捧げられたという。私は午後からは甲子園球場の準々決勝の試合を見なければならなかった。故郷のチームである鹿実が神奈川の東海大相模と対戦する。残念ながらひいきの鹿実は敗れ去った。しかし身長167センチの鹿実の主戦投手は私の記憶にながく残るだろう。実はこの日の午後は久しぶりに再開された公民館の囲碁の会があった。迷った末に野球観戦のため欠席したのだった。
翌2日にはMLBのアメリカンリーグが開幕した。まず午前8時からカナダのトロントでのツインズ対ブルージェイズ戦が中継された。昨年まで日本の千葉ロッテでプレーしていた西岡がツインズの2番セカンドでデビューした。11時からのテレビ中継は西海岸カリフォルニア州オークランドでのマリナーズ対アスレチックス戦である。イチローと松井秀喜が出場して、イチローは2安打と快調な滑り出しだった。球場には「がんばろう、日本!〇〇寿司」という表示の広告も見えていて、それは長時間テレビ画面に写し出されていた。私が応援するレッドソックスは3連敗のスタートである。今季はど真ん中の速球で勝負したいとコメントしたレッドソックスの松坂に注目している。(写真は三鷹駅近く:上は太宰治ゆかりの玉鹿石、下は山本有三記念館)