玉川上水オープンギャラリーでは春夏秋冬と年に4回の展示案内が出る。A4サイズの半分のA5サイズ1枚に両面刷りされて無料である。今年の冬の展示案内の表面の写真は木の実をくわえたツグミである。そして鷹の台駅からギャラリーまでの案内地図およびギャラリー友の会の開催案内がある。友の会についてはギャラリーのスタッフによる玉川上水の自然と展示内容の解説を行いますとある。それは毎月2回節気の最初の日曜日午前10時から12時までとなっている。裏面は冬の6節気の立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒それぞれの東展示の内容が予告されている。
西展示は毎回鈴木さんが担当する。「歩こうよ」という鈴木さんの素朴な詩の通りに鈴木さんの写真が展示されている。たとえば現在の立冬では「ヤツデ咲き出した 黄葉だ歩こうよ チャノキの花人気だね アオジ出合ったかい シメ ツグミ来たね コゲラ働き者だよ ツタ紅葉だね 歩こうよ ゆっくり歩こうよ」となっている。この節気で見られるものがタイムリーに展示されている。東展示には鈴木さん以外の人達の参加もある。子供の絵画が展示された場合もあった。ギャラリーは広く開放しようという方針のようだ。現在の東展示も鈴木さんの作品ではない。「草もみじ」をテーマとした宮元伸也氏の写真が展示されている。
ギャラリーの企画・展示・運営は「花のアトリエ」で行っていますとある。花のアトリエとは鈴木さんの自宅庭先にある看板を掲げた小屋のことである。私が知る花のアトリエのスタッフには先ほどの宮元伸也氏の他に新津啓一郎氏がいる。宮元氏は鈴木さんの小学校の後輩だと聞いている。この男性2人より強力なスタッフは鈴木夫人かもしれない。先日私は鈴木ご夫妻に広大な小金井公園の中で偶然お会いした。ご夫妻はそれぞれ重いカメラを抱えてチャノキに来るヒメアカタテハを待っていた。その日私は白雲木の木の実を拾うために公園に立ち寄ったところだった。スタッフとは鈴木さんと、鈴木夫人に男性2人が加わる総勢4人のことだろう。
「草もみじ」の写真にはヤマゴボウ、イヌタデ、ヤマノイモ、タカトウダイ、ヤマゴボウ、ヒヨドリジョウゴなど私の知らない草花の名が並ぶ。宮元伸也氏はつぎのような言葉を添えている。「カエデやツリバナやニシキギなどの紅葉、ミズキ、イヌシデなどの黄葉は誰でも気付きます。でもちょっと目を下に向けると足元の野草たちも、やや控えめにひっそりと紅や黄に色づいているのに気付きます。これらは草もみじといわれています。この時季、草花の多様な色を探し緑道を歩いてみませんか」昔の人々の生活の中には「草もみじ」という優雅な呼び名があったことを知る。