故郷で2つのイヴェントに参加するため2週間に及ぶ長滞在をした。実家は無いに等しいが、学生時代や出産時のように長滞在が実現したのだ。先ず中学時代まで過ごした故郷を訪ね、長老達とユックリ語らった。彼等は両親の名前を出すと一様に驚き、語らう内に「じゃった、じゃった」と私を思い出してくれた。80才後半ながら買物には欠かせないと運転してるらしい。田畑に働く人影は見えても歩く人の姿は見かけなかった筈だ。
麓にUターンしていた旧友と共に入来小学校も訪ねた。142周年と明示された横断幕が校舎に掲げられており、少ない小学生が校庭を走り回っていた。清色城の跡に建てられた校舎は、120周記念年に再建され、寄付者に城郭を模した校舎を染め抜いた手ぬぐいと、採用された寄稿文も載った記念誌が届けられた。当時2クラスづつあったが現在77名だという。下校児を迎える車にも出会った。城下は麓と呼ばれ石垣で組まれた武家屋敷がず~と連なっている。90才を超えた恩師は一人住まいだが、石組みの庭は整えられ車で外出中であった。BS放送で今春放送されて以来見学者はボツボツ増えているらしいが、国の伝統的建造物保存地区として91ケ所(県下では他に出水麓・知覧)指定された地域の中で最も観光客の少ない地区として紹介されている。
いきなり訪ねた別の恩師は両手で私を抱え込み喜んで下さった。当日遠慮がちに電話した兼業農家の旧友は、夫君の手伝いのある内にと獲り込み中だったが、「湧水町という名の通り水が美味しいから米も美味しいの。獲れたら送るわ」と言った。さる用件があって自宅に電話を入れると、千葉の旧友から芋と落花生が届いているよという。何とも有難い故郷、旧友達である。(写真は入来小学校」