このところ暖かい日が続いているのはありがたい。晩秋の庭にはツワブキの黄色の花が目立つ。素朴な花だと思う。花よりも葉の方が堂々として立派だと思う。そして8日は立冬である。肝臓の定期検査の結果が出た。半年に一度の指示を無視して一年後の検査にしたのでずいぶん久しぶりですねと担当医に言われた。結果は何の問題もなかった。ウイルス退治が可能な新薬が出たばかりだがどうしますかとの提案はお断りした。副作用が大きいらしい。これから半年間の臨床データの集計後に考えても遅くはない。
それよりも私の場合は視力が問題だ。最近陽射しがやけにまぶしく感じられる。サングラスをかけると少しは楽になる。サングラスといっても取り外し可能な装着タイプのものだ。読書も億劫で最近は囲碁関係の本しか目を通すことがない。眼鏡のレンズの度も適正なのかどうか。レンズを新調するとすれば濃い色つきのものにした方がいいような気がする。近々悪い方の目の視野検査を受ける予定があるので担当医に相談してみよう。
視力の衰えは風景の見え方に影響を及ぼしている。しかし若い頃はまわりの風景をじっくり観察する意志がなく健全な視力も機能していない場合が多かった。見れども見えずである。心あらざれば何も見えてこない。大げさにも「心眼」という言葉を思い出した。いい例が玉川上水の風景と私との関係である。私がその気になり鈴木さんという導き手を得て、身近な玉川上水の四季の風景が見え始めた。視力の衰えを受容しつつ、これからは見たいものをできるだけ絞り込んでいく必要がある。
先月の12日に復興に関連した新聞広告が出た。紙面の3分の1のスペースを使い、30行ほどのメッセージの最後に小さくヤマト運輸のロゴマークがあるだけの簡潔なものだ。「宅急便ひとつに、希望をひとつ入れて」というのが太字だ。「被災地の水産業・農業の再生と生活基盤の復興に向けて1年間、宅急便1個につき10円を寄付すると、いう私たちの活動は続いています」とあり、4月から9月末までの寄付金が68億円以上になったという報告である。創業者の一人小倉昌男(故人)が宅配便の規制緩和を巡り、理不尽な要求に毅然と立ち向かう様子は注目を集めた。この組織がこのような寄付金のシステムを編み出したのも、そんなことも影響しているのではなかろうか。