サルスベリの花が咲き続けている。ニガウリはいつもとくらべて葉の繁りはそれほどでもないが、今だにぽつりぽつりと実をつけ続けている。7日から22日までは二十四節気の白露である。大気が冷えてきて露を結ぶ頃の意だそうだ。この節気には中秋の名月を楽しむことができる。旧暦では7月、8月、9月が秋である。中秋は旧暦の8月15日のことである。今年の中秋の名月は9月19日という。
私にはススキを活け、団子や栗にさつま芋などのお供え物をする行事を経験したというはっきりした記憶がない。寂しいことだと思う。私は絵本や写真を見て感情移入するだけだった。この行事は、実りの秋の五穀豊穣に対する祈りと感謝を表したものだ。鈴木さんの白露の「さんぽ暦」にはヌルデ、コムラサキ、カラムシ、アカネ、(チヂミグサ)、(カラスノゴマ)、ススキ、(カリガネソウ)、ヒガンバナ、ヤマジノホトトギス、イノコズチ、ヤマブドウ、ガマズミ、ニシキギとあった。
秋の月がきれいな理由を知った。冬の月は空高く、夏の月は割と低い位置にある。適度な高さにある春と秋の月が見やすい。春はよく「おぼろ月夜」といわれるように空気中のちりや花粉などが多い季節である。春にくらべて秋は空気中の水蒸気の量が少なく比較的乾いている。だから秋の月がいちばんなのである。
夏野菜のトマトとキュウリのあとの畑を掘りかえし、苦土石灰をまいてしばらく放置していた。やっと一昨日に畝をつくりシュンギクの種をまいた。シュンギクの隣にはワケギの球根を植えた。南九州では千本(センモト)と呼ばれていて、ネギとタマネギの雑種の野菜である。球根を風通しの悪いところに放置していたのでだいぶ傷んでいる。芽吹いてくれるかどうか心配している。悪い予感が的中して近くの新堀用水の流れは未だに止まっている。季節の変わり目にあたり私の体調とそれにともなう気分は沈みがちだ。