中央公園のサクラはすでに冬木立だが、金曜日の未明からの嵐でイチョウとケヤキも大量に葉を落した。さらにメタセコイヤの粉状の落葉は凄まじい。葉はモミに似て線のように細長く、それらが長さは6cm、幅は2cm程度で羽状に対生し、赤茶色に紅葉したあとに落葉する。朝の早い時間にシルバー人材センターの男たちが、黙々とかき集めてはビニール袋に詰め込んでいる。落葉の季節に、昔のヒット曲「川は流れる」の歌詞が浮かんだ。「わくらばを、きょうもうかべて、まちのたに、かわはながれる」
しかし「わくらば」の意味をこれまで知らずに過ごしていたことに気づく。辞書を調べると①病気におかされた葉②夏に赤や黄に変色した葉。「わくらばに」という副詞もあって、偶然にとある。作詞は横井弘で、昭和36年に仲宗根美樹が歌ってヒットした。横井弘は今年の6月に88歳で亡くなっている。「川は流れる」は「あざみの歌」と並ぶ横井の傑作という。また「達者でナ」「さよならはダンスのあとに」なども作詞した。(写真は日展2015)
機会があれば読んでみたいと思う本が紹介されていた。加藤典洋(1948年生まれ)著「戦後入門」(ちくま新書)だ。憲法9条は変えない方がいいというこれまでの考えを見直し、「国連との同盟」を目指す9条改正案を提起している。その内容は「戦争と武力行使は永久に放棄する/陸海空の戦力は一部を国土防衛隊、残りは国連の待機軍とし、交戦権を国連に移譲する/外国の軍事基地は許可しない・・・」などである。
「今年の安保法制でも、印象に残ったのは、主権国家として米国と対等に交渉ができず対米追従する政府の姿だった」そのための方策が、9条改正による国連中心主義への転換だ。「日本が国際社会から理解を得つつ対米自立を果たすにはそれしか道はない。そのように観念して、死ぬ気で取り組めば、必ず世界は変えられると思います」 これは突破口を国連に求めていることにおいて琉球独立論と類似していると思った。