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玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*沖縄滞在八日間②

2016年02月18日 | 沖縄のこと

 食堂内に数多く並んでいる硝子の大瓶に興味を示している私に、老紳士はつぎのように説明してくれた。これは島とうがらしを泡盛に漬け込んだ沖縄の調味料で「コーレーグス」と言い、島とうがらしは朝鮮半島より伝ったとされ「高麗草」からコーレーグスになった。私は沖縄そばの薬味としてほとんどの食堂のテーブルに置かれていることは知っていた。この薬味の名を知り認識を深めることになった。

 現場に行くことで思いがけない気付きがある。その意味するところを事後に知ることになったりするが、とにかく行動することで視野が広まっていく。老紳士は「明日ゲート前で会いましょう」と予言めいたことを告げた。ゲート前の集会は水曜と木曜に重点がおかれ、国会、県会、市町村会などの議員たちの参加もこれらの日に集中するという。着いたばかりの私は明日の木曜が集中日であることを知る由もなかった。

 

 乗客二人だけの最終バスに乗り瀬嵩(せだけ)で下りた。宿主には廃校になった小学校の正門を入るようにと教えられていた。は静まり返り人通りはない。しばらくそれらしきものを捜して薄暗がりの中を歩くが見つけ出せない。仕方なくバス停に一番近い民家のドアをたたいた。出てきた高校生の金原太一君が親切にも宿の玄関まで案内してくれた。宿はバス停から歩いて5分もしない近さだった。

 宿の玄関の広間は到着したばかりの団体客男女十数人でごった返していた。まもなく彼等は先ほどまで私がいた名護市の中心部へ食事に出かけた。これには2時間はかかるだろう。広間に静けさが戻り、先客はそれほど若くない女性と男性のそれぞれ一人ずつであることが確認できた。私はこの宿で唯一の六畳の個室を予約していた。他はすべて二段ベッドなどの相部屋だ。そして車のない私は明日は自転車を借りることを申し出る。すべて飲食はこの広間で行うようにとの指示があった。食材以外は全部揃っていて自炊可能である。広間でパソコンを操作している女性と話した。旅慣れた印象のあるその女性は、彼女のブログ「毎日がちょっとぼうけん」を更新しているところだと話した。

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