玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*若き投手の事故死

2016年10月03日 | 捨て猫の独り言

 だいぶ前に中国旅行で桂林を訪れたのは8月下旬だった。秋分を過ぎる頃からキンモクセイの甘い香りが漂い始めると、なぜか桂林の漓江下りを思い出す。そして目撃した桂林の人たちの生活の様子が身近に感じられるようになる。8月に訪れた桂林で実際に私がキンモクセイの香りをかぐことができたのか判然としない。私の連想は旅行案内書で得た知識のせいかもしれない。

 

 8月の初旬にイチローの3000本安打達成が秒読み段階に入った。NHKはイチローが所属するナ・リーグのマイアミ・マーリンズの試合を連日のように中継した。それを見ながら自然と多くのマーリンズの選手を覚えることになった。その中の一人にホセ・フェルナンデス投手がいた。その彼が9月25日未明にマイアミビーチで発生したボート事故で死去した。24歳だった。

 

 私の興味を引くのはエースとしてのマウンド上の彼ではない。登板がなくベンチで応援している時のフェルナンデスは、ひとときもじっとしておれないらしくコーチであれ監督であれ、試合中にだれかれとなく話しかける。天真爛漫ということで皆に愛される。これまであまり見たことのないタイプの選手だった。他にはボストン・レッドソックスのベッツ外野手あたりが似たタイプだと思う。

 フェルナンデスは08年に母親、妹と共にボートでキューバから4度目の逃亡を試みた。しかし途中、荒波に母親がさらわれて海に落ち、当時15歳のフェルナンデスは海に飛び込み母親を救出した。その後、メキシコを経由してアメリカに亡命を果たし、昨年は市民権を獲得した。このような経歴から私は思う、彼はたびたび狂おしいほど海にあくがれていたに違いない。

コメント
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