ネリネが咲き始めた。その横の小さな畑では10月中旬に種まきしたシュンギクとチンゲンサイの小さな葉が列をなしてひしめき合っている。 柿、サルスベリはほとんど葉を落した。ハナミズキの実にヒヨドリが来て残り少ない紅葉を散らしている。鈴木さんによると玉川上水は今年はエゴやマユミの実が少なく小鳥たちには厳しい冬になるという。庭の椿の木の下で小鳥が運んできたのか、今年から紫の小ぶりの菊が咲き出した。
入場無料の「日展の日」に10時の開場に合わせて港区六本木にある国立新美術館に出かけた。私の日展見学は組織改革を行った平成26年の第1回からである。今年は「改組 新 第3回日展」ということになる。この日は土曜日で土日祝日は写真撮影禁止であることを会場入口で初めて知った。入場無料の日を狙ったのはケチな料簡だった。
書は知人の出展がないので見学を取り止め、工芸美術はごく一部を足早に見る。おもに日本画、洋画、彫刻を見て回る。彫刻でその名を覚えたのは鹿児島県の中村晋也氏(90歳)である。今年の出品はその大きさでひときわ目立つ豊臣秀吉公だった。昨年は天障院(篤姫)だった。中村氏は偉人像で知られ甲突河畔の大久保利通公、鹿児島中央駅前の若き薩摩の群像の作者である。
新入選の作品もあるが、常連の方々の作品が圧倒的に多い。特に絵画では、また今年もお会いできましたねと呼びかけたくなる作品が並んでいる。見学の数を重ねて少しずつであるが作者の経歴などを知りたくなった。ということで今年の洋画特選の中から無作為に二人を選んでみた。青春賛歌の「胎動」の作者である春日裕次氏(56歳)は出雲高校の美術教諭だ。若い頃オートバイマニアだった。古典絵画を連想させる作品の「「Bard’s Tale」の松本貴子氏は女子美大2002年卒である。それぞれ洋画団体「東光会」と「白日会」所属である。