アトランタに関する本を図書館で一冊だけ見つけた。1996年出版の中山清美著「アトランタビーツ」である。序文に「私が生れた鹿児島県はアトランタが州都であるジョージア州と姉妹県の関係にある。そんなことはアトランタに行くまでは知らなかったのだが、同じ南ということで、なぜか親近感があった。はたしてアトランタの匂いと風土は私の感覚にぴたりとはまり、以後、何度となく出かけることになった」とある。
この本の発行日付はアトランタ・オリンピック開会式の前日の7月18日になっている。最終章は「アトランタに祭りがやってくる」である。異色のオリンピックだったことを知り、彼と我の違いに感動を覚えた。他の章のことは後回しにして最終章を見てみる。オリンピックをアトランタに誘致したのはたった一人の元弁護士だったという。最初は頭おかしいんじゃないのと言われたそうだけど、さすがアメリカ、無から有を生んだ。
その人の名はビリー・ペインという。市長は我慢しながらもビリーの話を聞いていたら、だんだんビリーの意見に賛成するようになる。そして立候補するだけでもイメージアップに繋がると最終的に判断した。結局、市とビジネス界が協力してビリーをバックアップすることになった。コカ・コーラで財をなした企業家ウッドラフの基金や大手銀行などが大どころとして寄付を行った。
アトランタオリンピックには公的な援助は一切ない。コンベンション都市として設備は整っているし、競技場などのインフラも十分で、メインスタジアムを除けば、改めて建設するのはごくわずかだった。アトランタはメガイベントを契機とする都市改造を行い、その政策手法はアトランタモデルとして知られる。公共施設、インフラ管理費の増大問題に対処する上でも、不必要な不動産を公的機関が保有する必要がないというものだ。
都市 | 国 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
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アトランタ | アメリカ合衆国 | 19 | 20 | 26 | 34 | 51 |
アテネ | ギリシャ | 23 | 23 | 26 | 30 | 35 |
トロント | カナダ | 14 | 17 | 18 | 22 | − |
メルボルン | オーストラリア | 12 | 21 | 16 | − | − |
マンチェスター | イギリス | 11 | 5 | − | − | − |
ベオグラード | ユーゴスラビア | 7 | − | − | − | − |