近ごろわりと内田樹の本を読むことが多い。コミュニケーションが上手で多くの交友があるようで、いろいろな方との共著・編著が多い。大学教授にして武道家というのもユニークだが、発想とその論理の道行も独特だ。たまたま読んでいる、2010年バジリコ出版の「邪悪なものの鎮め方」から語彙を拾ってみた。
●リソース(資源)スペクタキュラ―(あっというような)スルー(気にしないこと)ブレークスルー(突破力)イノセント(無邪気な)オープンマインド(多くを受け入れる心)センチネル(見張り)プラシーボ(偽の薬)ゼロサム(合計するとゼロ)ディセンシー(礼儀正しい)ナラティブ(物語)、レディメイドのストックフレーズ、ベストのソリューション、フラッシュバック、知的パフォーマンス。
●理路(道理、筋道)、理非(道理にかなっていることと外れていること)、知見(知識や見識)、骨法(奥義)、身体感度の高さ、幸福な全能感、弁疏(べんそ=弁解)、信憑(しんぴょう=信頼)、疚しさ(やましさ)、瘴気(悪い空気)、蝟集(いしゅう=寄り集まる)、閾値(しきいち=境目となる値)、荒誕(こうたん=おおげさ・でたらめ)、訓詁(解釈・説明)、満腔(からだ全体)の賞賛、不羈(束縛されない)の血のたぎり。【鷹の台駅前整備計画】
内田語録 ◯過去の一点に釘付けされることが「トラウマ」的経験である ◯私はどんなことを訊かれても即答することでお鳥目(銭)をいただいている身 ◯霊的経験などのように「収まりの悪いもの」がそのへんにごろごろしていても私は別に気にならない ◯「どうふるまってよいかわからない場面で適切に振る舞うことができる」というのが人間知性に求められていることである 〇情報と情報化は違う。たとえて言えば「情報」を「大福」とすると「情報化」というのは小豆や砂糖やもち米から「大福を作り出す工程」のことである。