普天間飛行場の返還合意は1996年。県民の反対を押し切り、辺野古では今も工事が行われている。しかし埋め立てが進んだのは辺野古側のことで、埋め立て予定海域の8割超の手つかずの大浦湾側の海底はマヨネーズと言われる軟弱地盤という。だから基地完成の目途を予測できる者は誰もいない。
かくして普天間飛行場の危険性は放置され続ける。軟弱地盤の技術的な解決策はなく完成自体を疑う人もいる。誰が工事を続ける決定をしているのか、あれほど予算を投入し、反対を押し切ってここまで来た以上いまさら止めると言えない。工事が進めば進むほど止めにくくなる。引き返す勇気のある政治家がいないものか。
行動する土着の作家・目取真俊のブログ「海鳴りの島から」は欠かさずチェックしている。「米軍にとって辺野古新基地が完成しようがしまいが問題ではない。工事が続く限り代替施設が完成しないからと理由をつけて普天間基地を使い続けることができる。しかし完成の目途が立たない基地のために時間と予算を浪費する余裕は日本にないはずだ」私は思う、もしも普天間で大事故が起きると日米関係の根幹が揺らぐ事態になる。アメリカもそれを恐れているはずだ。
「無理やり工事を進めても工事は延長を重ね膨大な予算が浪費されるだけ。10数年あるいは20数年後の東アジアの状況を想像すべきだ。中国に対抗すると言っても、ミサイルやドローンが前面に出る時代に滑走路の短い辺野古新基地やオスプレイがどれだけ役に立つというのか。基地利権に群がる業者と政治家は儲かる。そして沖縄住民は苦しみ続ける」私は辺野古新基地反対運動の息の長さに感動し歯ぎしりするばかりだ。