玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*村上春樹(1)

2022年08月08日 | 捨て猫の独り言
  1.  内田樹は1950年、村上春樹は1949年、蛇足ながら私は1944年の生まれである。そして内田は村上文学を評価する。狂ったように暑い今年の夏をやり過ごす一つの方策として、私はあまり読んでいない村上の作品を読んでみようと考えた。また新聞報道によるとジャズピアニストの山下洋輔が1969年に早稲田大学でした「伝説のライブ」を再現するイベントが、7月12日に村上の呼びかけで実現したという。そこで学生運動については「理想主義的なものの噴出はある程度評価していいと思っています」と語っている。

  

 村上は学生結婚をして、その3年後25歳で国分寺駅南口のビルの地下にジャズ喫茶「ピーターキャット」を開店した。私はこの頃、国分寺の近くの小平に住み始めた。国分寺駅南口には今でもよく行く。その3年後に店は千駄ケ谷に移転。29歳で小説を書き始め翌年の1979年「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。その3年後に店を譲渡し専業作家となる。

 まず「風の歌を聴け」を読んだ。昔の記憶がよみがえった。主人公が学んだというアメリカの作家デレク・ハートフィールは架空の人物であることを今回の読後に知った。大胆な虚構が埋め込まれていた。村上作品を読むとき、なぜか映画カサブランカの中の「決め台詞」を思い出す。「昨日はどこに?」「そんな昔のことは覚えていない」「今夜会える?」「そんな先のことは分からない」。

 つぎに読んだのは「ノルウェイの森」。読んだつもりだったが読んでなかった。あるいは中断したままだったのかもしれない。/飛行機のBGMにビートルズの「ノルウェイの森」が流れていることに気がつく。その瞬間「僕」は18年前に直子が言った。「いつまでも私のことを忘れないでいてくれる?」という言葉を思い出す。/レイコさんが「あのライ麦畑の男の子の真似しているわけじゃないわよね」「まさか」と僕は言って笑った。/作品に出てくるトーマス・マンの「魔の山」やサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」はいずれ読もうと思う。

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