「私たちは唯一の被ばく国といわれる日本に住んでいながら、放射線や放射能が人間にどのような影響を及ぼすのか、実は教えられてもいなければ理解してもいない。・・・」
「たとえ原爆は使用されなくても、無数の被ばく者を日々新たにこの世界に生み出す現実が進行している。私たち自身の被ばくに関する無知や無関心を今こそ問い直す時ではないだろうか。
2005年に出されたこの本は広島で自身も被爆し、被爆者の治療にあたってこられた肥田舜太郎医師と社会派ジャーナリストの鎌仲ひとみさん両著によるもので、初めの部分に書かれているこの文を読み、福島での原発事故のことが重なった。
60年にわたり内部被曝の研究をされてきた肥田先生の言葉のもつ意味は重い。
年間何ミリシーベルト以下だから大丈夫です」というのは大きな嘘 年間何ミリシーベルトと言っているのは外部被曝の場合で内部被曝というのは放射性物質を体内に取り込んでしまい、1日24時間ずっと被曝し続けるということです。
その影響は個人差によるので誰にもわからないが、病気や死亡する可能性が上がることだけははっきりしている。
資本主義経済という枠組みの中では功利主義的な考えに基づき、「地球上の50億の人間が幸せになるためであれば、1億人がその犠牲になっても仕方がない」という考えから原子力発電による放射能汚染にも目をつぶってきた。その結果、世界中で被ばく者が増えている。これが現状だと思いますと本のなかで語っている。
以下の動画では全日本民医連顧問として活動されている94歳の肥田先生が、「原発なしで暮らしたい100万人アクションin広島」で話された時のものです。是非 ご覧ください。
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