忘れ人の独り言

明治生まれの両親がさりげなく生きていた姿が今,私に語りかけてくる。

「ヒトラー・ユーゲントの若者たち」の本

2012-08-26 | 日々の業

孫たちの長い夏休みもいよいよ残り少なくなってきた。お盆にはご近所のWさんの声かけでバーベーキューに誘ってもらい同級の仲良し3人と出かけた。そこで福島の子どもさんが来ておられ親しくなったらしい。

さて、本も読みましょうという宿題もあったはず。夏休み入ってすぐに図書館で数冊借りてきたものの殆んど読まずに返す期日が迫ってきた。仕方ないなあ・・・バアバアーが代わりに読んでおくか?と思って読み始めた本の一冊

これはなかなかすごいことが書いてあって勉強になった。ドイツ・ヒトラーと言えばユダヤ人狩りそしてアウシュッビッツ収容所のことくらいは知ってはいたが、ドイツの子どもたちの組織ユーゲントのことは殆んど知らなかった。

1931年から十数年の間に子供たちが洗脳され特権的な子どもとしてあこがれの的になり、ナチスへの忠誠を示しその組織に殆んどの子どもたちが入隊していく過程が描かれている。やがて親衛隊として大人をも支配する権力を持ち成長していく様はただただ驚くばかりだった。

時には親や教師、友人までも組織の為に密告し、ドイツへの愛国心から独裁者に忠誠心を誓い、従う集団となっていくが日本が先の大戦で多くの学童たちが軍需産業に駆り出された、それとは似ているものの、もっと積極的な戦争加担となっている。

最後の部分でユダヤ人を収容所へ送ったこの人達が、戦後自分たちがしてきたことに対して一顧だに反省の気持ちを持たなかったということにも驚かされた。

今、独裁者は権力を握ったら何を言っても、何をやってもよいのだというような大阪の市長の言動がヒトラーのそれと重なって見えた。