ホームセンターに買い物があって行ってみた。
店内は、二十何年か前に訪れた上海のデパートと同じように薄暗かった。
電池の棚はやはりカラ。
被災地待避所の方には気の毒だが、いまのところ夜の輪番停電以外には灯火用の電池消耗はない。ラジオが聞こえなくなるまでにはまだ間がありそうだ。
停電のときには、直径44ミリの蝋燭を大きめの板に立て、すぐ消せるように濡れ拭布をすぐそばに置いて灯りをとっている。電池を使うランプはそのバックアップ。
「蝋燭はやめろ」と放送されても、使わずに古びる電池の買い置きは1回取り替え分に限定していたから、これから当分続く停電のことを考えるとそうはいかない。
買い物を終えた。1時間1本のバス待ちよりは、2キロぐらいなら歩いたほうがよいので駅に向かって歩き出す。途中、ちょうど3分前に開いた店があった。
その日の第1号の客になって、ワインを添えたささやかなぜいたくを味わう。
ピッツア・マルゲリータは、赤・白・緑のイタリア国旗のいろどりと聞いたが、出てきたピザには緑色がなかった。
訳知り顔に「緑はどうしたの」などと聞けば、「セットでご注文いただけますと緑のサラダがついております」とくるのだろうか。
食べ終わって、停電があるなら、もうそろそろその時間が来そうだがと聞いてみると、今日の停電は中止。やれやれ。エレベーターにも乗れるからまっすぐ帰ろう。