役職という言葉は、二つの文字がつなぎ合わされてできています。
「管理職になって責任と職権をもつようになった」ことを「役職に就いた」と言われます。
二つの文字のもともとの意味は、"役"はこき使われること、"職"はつかさどることでした。
ところが、それぞれのうしろに"人"の文字が加わると、二つの意味が入れ替わってしまいます。
さらに、"役人"の前に"お"がつくと、"職"の意味であったつかさどることが変容し、"職権"が"利権"に変わるという困ったお色直しも始まります。
10年以上前に、もう開発途上とは言えない中国への政府開発援助は中止されたものと思っていたら、総理が今回の中国訪問のとき正式に伝える方針だという報道がありました。
今さら何をと思ったら、2007年12月に中止したのは、新たな円借款の供与のみで、無償資金協力と技術協力の「贈与」がずっと続いていたのだそうです。
民主主義のもとでは、お役人がこんなお色直しマジックも演じることができるのでした。
そのとき、お役人の最高上位にあったのはどなたかと調べてみたら、やはりあのお方でした。
人の嫌がることはしない、ということは、人が喜べば道理に合わないこともするのでしょうか。