烏の巣作りを見つけた。
巣とは、性質的には、子育て場所というか揺り篭とかいうべきかも知れない。家族みんなでゆっくり眠るスペースとしてはやけに小さい。
蜘蛛の巣や蜂の巣蟻の巣などと、鳥の巣はちょいと趣は異なるだろう。
そう考えれば、家というものと巣というものも、確かに趣が違う。
宵越しの酔っ払いはよく、家に帰るとはいわず、「巣に帰る」という言い回しをするが、なるほど理である。
巣は、ある目的の為の便宜上の、簡易的で、一時的にしか主には居場所のないものかもしれない。
住むためではなく、育む為にいそしむ役目のものに、だらだらする居場所は必要ないということは、至極当然合理的な、巣作りになるのである。
巣のような家しかない。となげくご同輩よ。
嘆くことなかれ、我々は徘徊狩猟の雄雄しい血を色濃く残している。
家で安らぐよりも、巣の中身の為のミッションを優先しているのだ。
巣にはえさを、巣からはゴミを、供給と排除という大事な役目。
いない方が快適だといわれる前に、自覚するこの素晴らしさよ。
雌のカラスが、時にやさしく時にけたたましく雄を呼ぶのは、逢いたいからではなく、巣作りをせかす為であり、それに答えるべく今日も呑んであけがらす。
などと、勝手な言い訳を想いついた。からすの巣。