(photo/Fosco Maraini.1954)
金箔、銀箔、瑠璃、真珠、水晶、以上合わせて五つの宝。
丁子、沈香、白膠(はくきょう)、薫陸(くんろく)、白檀、以上合わせて五つの香。
東方たいとらだ持国天、西方びろしゃ広目天、南方びるろしゃ増長天、北方びしゃもん多聞天、以上合わせて四天王。
五宝、五香、を納め、四天かたどる四方の柱は、千年万年動(ゆる)ぎなきと、祈り定めた柱立式(はしらだて)。
天星、色星、多願、玉女三神に、北斗の七星を祭りて願う永久安護。
・・・
幸田露伴の小説「五重塔」、建立に一身を賭けた大工十兵衛の魂魄ここに結実したる場面、原文はもっと格調あるものの、おおよそ先のような文章がある。
念入りな仕事、その念の入れ方をとても美しく表現している。
十兵衛の念が入った五重塔は、すさまじいまでの猛暴風雨にもびくともしなかった。
そして今も、西より仰げば新月を吐き、東より望めば紅日を吞んで、宝塔とこしえ天にそびえている。
金箔、銀箔、瑠璃、真珠、水晶、以上合わせて五つの宝。
丁子、沈香、白膠(はくきょう)、薫陸(くんろく)、白檀、以上合わせて五つの香。
東方たいとらだ持国天、西方びろしゃ広目天、南方びるろしゃ増長天、北方びしゃもん多聞天、以上合わせて四天王。
五宝、五香、を納め、四天かたどる四方の柱は、千年万年動(ゆる)ぎなきと、祈り定めた柱立式(はしらだて)。
天星、色星、多願、玉女三神に、北斗の七星を祭りて願う永久安護。
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幸田露伴の小説「五重塔」、建立に一身を賭けた大工十兵衛の魂魄ここに結実したる場面、原文はもっと格調あるものの、おおよそ先のような文章がある。
念入りな仕事、その念の入れ方をとても美しく表現している。
十兵衛の念が入った五重塔は、すさまじいまでの猛暴風雨にもびくともしなかった。
そして今も、西より仰げば新月を吐き、東より望めば紅日を吞んで、宝塔とこしえ天にそびえている。