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籠中の鳥は、幽谷の春を慕って鳴く。人はこれを楽しと聞き、
叢中の虫は、月夜の露に浮かれて唄う。人はこれを悲しと聞くようです。
たとえば悲劇を見てその哀れに人は泣くけれど、目の前に横たわる悲惨な現実には目もくれぬ人もあるのは、どうにも道理に合わないように思えます。
しかしその泣く泣かないは感情より起こるものではなく、勘定より来るものであろうと理解すれば、ロハで済むことには泣き、少しでも金のかかることとなれば、我慢してでも泣くに泣けないという道理が見えてきます。
道理で人心強壮の源は忍辱にありと言った人も滋養強壮の源は大蒜だと言う人もいるということに思いは馳せます。
かんじょうもにんにくもどちらも人の心からです。