南無煩悩大菩薩

今日是好日也

将棋

2024-12-18 | 偈、弁、述、名言・至言

将棋はとにかく愉快である。

盤面の上で、この人生とは違った別な生活と事業がやれるからである。

一手一手が新しい創造である。冒険をやってみようか、堅実にやってみようかと、いろいろ自分の思い通りやってみられる。

しかもその結果が直ちに盤面に現れる。そのうえ遊戯とは思われぬくらいムキになれる。将棋は面白い。

金のない人がその余生の道楽として、充分楽しめるほど面白いものだと思う。                     

将棋を指すときは、怒ってはならない、ひるんではいけない、あせってはいけない。

あんまり勝たんとしてはいけない。

自分の棋力だけのものは、必ず現すという覚悟で、悠々として盤面に向かうべきである。

そして、たとえ悪手があっても狼狽してはいけない。どんなに悪くてもなるべく、敵に手数をかけさすべく奮闘すべきである。

そのうちには、どんな敗局にも勝機がぼつぼつと動いて来ることがあるのである。

-談/菊池寛

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