バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

続入試問題投稿問題

2011-03-02 07:12:04 | バネ
 この問題、誰がどうやってといまだ議論が続いている。娘のクラスでは議論の末、ある一つの結論を導いたらしい。その話を家庭で振ってくるので、我が家でも再燃した。近所でも同じような家庭たくさんあるのでしょう。市内でも、県内でも、こうやって日本中で議論が沸騰していることでしょうと、食卓を囲みながら思いを馳せてしまった。
 先日小学生の授業で議論の時間を持った。それをもとに小論文を書く練習をした。
 スポーツで指導者から「声を出せ」と言われるが、声を出すことは良いことか、悪いことかという問いかけに対し議論が沸騰した。声を出した方が「良い」派は女子、「悪い(良くない)」派は男子と別れた。ではどうしてそう思うのか。そう言われてみると言葉に詰まったのは女子。一方、男子側は日頃の理不尽な思いを吐き出す。「声だすと、声だすことに集中してプレーに集中できない」、「仲間の声がうるさくて集中できない」「疲れる」等。女子側は「声だすと集中できる」「団結できる」「気合いが入る」等。どちらももっともである。こうやって意見を書き出している時点で、反論者をぶっつぶせ的な男子対女子の言い合いになった。相手の説を否定するついでに人格を否定してしまう。「あんなこと言って、ばかじゃねぇ」って表現が出て、あいつムカつくって雰囲気になった頃、ひとりが「どっちもありなんじゃねぇ?」とつぶやく。さて、ではこれをもとに人を説得する文章を400字以内で書いてごらんと原稿用紙を渡した。自分の論を主張するなら、反対論の人を説得しなければならない。そのためには具体例、できれば自分が体験した例をもとに説明すると説得しやすいと言うと、体験談で苦労していた。書きながら結論がねじれ、「良い」派に寝返り打った1名を除いては、全員最初の説を貫いた。だれも中庸に納めた子はいなかった。
 こういう議論に慣れていない日本人は、持論を主張するのも反論をかわすのも苦手。言葉に詰まったり、けんか腰になってしまう。こういう意味では、今回の入試問題投稿問題は、教育の現場に好機を与えたとも言える。