バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

ゆずり葉の頃

2015-06-07 09:41:33 | パンセ
 ドラマで気になるのは、生活感がないこと。
 一人暮らしであんなに部屋片付いているわけないとか、あんなに広い部屋に住めるわけないと突っ込み入れながら見ているから、夢ないよね。「素敵」と単純にときめきを楽しんでおけばいいのにね。
 ロケ地なんかだときれいなところだけ、都合いいところだけ写して、見せたくないものは脇に寄せておくから、あの川は○○、あの通りは○○などと切り貼りロケして、たまに別所温泉やその界隈が映画なんかで登場すると、「へー、こうやって貼り付けると立派に見えるもんだね」とか、悪いイメージで使われがっかり感漂うこともあり、地元民は見せる手法に感心するわけです。

 「ゆずり葉の頃」
 先日特別鑑賞券をいただいたので、岩波ホールに観に行ってきました。
 平日午前の部だから空いているだろうと思いきや、開演30分前でもうすでにロビーは人で一杯。高齢の女性が多い。それも皆品が良い。ほどなく開場し席につきゆったりと待つ。周囲の雰囲気がそうさせるのか、このまま眠ってもいいかもと思えるほどゆったりした気分。
 映画は八千草薫さんをはじめとした出演者の品格が漂って、感じ悪い人が一人もいないのでした。この映画が伝えたかったことはたぶん自分には十分伝わってなくて、それは世代的に無理なのであって、あと20年ほどして観たらまた違う感慨が押し寄せてくるのだろうなと思います。
 
 というわけでここではストーリーには触れず、ロケ地の映像について感想を一言。
 ストーリーは北軽井沢を舞台としていたので、もしかしたら上田でロケしているかもしれないから馴染みのある景色が出ないかと気にかけて観ていました。山の形を見れば位置がわかるけど、終始曇天で山が見渡せない。でもどこかで見たことがある風景。山麓の斜面感があるから小諸あたりかなと思いながら観るうち、自分の中ではそこはすっかり浅間山麓に広がる田園地帯となっていました。違和感なくそこにいる気分が心地よい。
 そうかこれは景色の切り貼りしていないからだ。曇天なら曇天のまま。雄大な山の景色を望めないなら、そのまま。農作業小屋もエキストラも普通のまま。もしかしたら制作のために本来そこにはないバス停のベンチを置いたかもしれないけれど、自然を演出している感じはしなかった。無理はするけど無理はしない。こだわるけれどこだわらない。
 
 この映画の監督さんは76歳の女性で、今回初監督作品だそうです。

 

 

 

 

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