旧型Vmaxの整備に携わるようになって長いですが、担当した車両の数だけオーナーを見てきました。大まかに言えば、旧型Vmaxのオーナーのタイプは、2通りに分かれると思います。乗りたいからみなさん購入されるわけですが、好みに合う方と合わない方がいて、合う方は、購入後、長く所有されていて、合わない方は、早くに売却されています。また、一度、旧型Vmaxに乗り、売却後、再度購入される方もいらっしゃいます。他メーカーに同じジャンルのバイクが無いことありますが、Vmaxは、Vmaxというジャンルの乗り物だと思います。
コンディションレベルチェックパックと部品装着でお預かりです。外装を外して点検から始めます。
前後タイヤは、ダンロップ製で2018年夏ごろ製造で、3割ほど摩耗、空気圧若干低めでした。
エンジン始動前と始動後の油面です。
オイルフィルターは、社外品でした。Vブーストジョイントののバンドが締めすぎでしたので、少し修正しました。締めすぎなことが多く、そのまま使用するとゴムジョイントが切れます。
パイロットスクリューの圧入栓が入ったままなので、抜いてキャブレターの点検と調整を行います。
左右に前オーナーによる立ちゴケ跡があり、シフトペダルが曲がっていました。バッテリーは、純正ユアサのようです。液面は規定値内でした。
フロントフォークの締め付け位置が違い、トップブリッジに対して、インナーチューブ上端の位置が右の方が低くプラスチックキャップまで締められていたので、キャップが外れませんでした。左右の高さは修正しました。また、エア圧が0でしたので、規定値に戻しました。エア圧で車高が変わります。
クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いようです。交換時期は不明です。
長期不動車のようで、ガソリンタンク内が錆びています。
リアサスは、新車時部品のようですが、劣化があり、バンプラバーがダメです。
現時点で、オイルシールは平気そうです。クリップは若干錆びています。
ブレーキパッドは、ヤマハ純正で、残量はありますが、キャリパーの清掃は行った方が良いと思います。
エアクリーナーは、純正で、新車時部品のようですが、上面のスポンジが劣化しています。ダイヤフラムは、回転や作動不良は無さそうです。
バッテリーは点検のみです。純正液式としたら問題無いと思います。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうです。
クラッチレバーを交換したようで、ロッド先端の真鍮ブッシュがなくなっていたので、追加しました。
各フルードは、交換時期不明です。
スパークプラグは、純正で、左前後の気筒がカブっていました。キャブレターを調整して、NGK製JR8Cに交換しました。リアバンクのプラグコードは、バッテリー交換時に外したようで、接触不良を起こしていました。修正済みです。
リアサスですが、左側が反対になっていました。伸び側ダンパーの数字側が外側です。納車前に荷掛けフック追加しました。
ヨシムラ製のメーターをお持込で追加しました。最新タイプで、2カ所の温度を切り替え表示でした。水温と油温のセンサーを装着しました。今回交換した部品類です。テールランプは、片方が切れていました。
最終チェックと試乗です。最終型で、走行距離は少なかったのですが、長期不動車で保管が良くなかったことと、今までの整備状況が良くなく、本調子になっていません。キャブレターについては、一度、全分解した方がよいように思います。一旦納車になりました。
2020.12.13 作業担当 ヤダ(矢田)