トヨタ自動車が開発した、ITS専用周波数(760MHz)による路車間・車車間通信を活用した安全運転支援システムです。2015年10月には国内で発売する車種に世界で初めて搭載し、2015年のうちに3車種まで増やす計画のようです。
本システムは、全体で4割程度を占めている交差点での事故を減らす目的で開発されたようで、交差点の信号機などに設置したセンサーが、運転手が見落としがちな対向車線の直進車や歩行者を検知し、発進しようとする車へその情報を送信することにより、表示やブザーで注意を促すようになっているようです。具体的には以下のような機能が提供されます。
<路車間通信システム(DSSS : Driving Safety Support Systems)>
①右折時注意喚起:交差点で右折待ち停車時に、接近する対向車線の直進車や、右折先に歩行者がいるにもかかわらず、ドライバーがブレーキペダルから足を離して発進しようとするなど、見落としの可能性がある場合に、表示とブザー音により注意喚起
②赤信号注意喚起:赤信号交差点に近づいてもアクセルペダルを踏み続け、ドライバーが赤信号を見落としている可能性がある場合に、表示とブザー音により注意喚起
③信号待ち発進準備案内:赤信号で停車したとき、赤信号の待ち時間の目安を表示
<車車間通信システム(CVSS : Connected Vehicles Support Systems)>
①通信利用型レーダークルーズコントロール:先行車が通信利用型レーダークルーズコントロール対応車両の場合、車車間通信により取得した先行車両の加減速情報に素早く反応して、車間距離や速度の変動を抑え、スムースな追従走行を実現
②緊急車両存在通知:サイレンを鳴らしている緊急車両(救急車)*8が周辺にいる場合に、ブザー音が鳴り、自車に対するおよその方向・距離、緊急車両の進行方向を表示
このシステムは、官民共同で環境整備が進められており、信号機への機器の設置は国や県などが行い、車に設置する機器は企業側が開発を行ってきたようです。車に搭載する機器の価格は数万円程度のようです。
現時点では、東京23区内、名古屋市、豊田市の約20箇所の交差点でしか作動しないようですが、今後対応する交差点を増やしていきたいとのことです。
ニュースリリース(2015.9.30)のサイトは、http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/9652000です。