李達夫さんの連れ合い、素媛さんは7月25日骨折した頭骸骨の骨を2箇所除去する手術を受け、現在もその病院にいる。入院2週間で240万円。まもなく一ヶ月経つ。どれほどお金を払ったことだろう。日本で生活保護を受け、こつこつ貯金したお金は、孫の病院代で消えたということを、李さんは今回のことで初めて周囲の人に打ち明けた。私も含めて、友人・知人はいつもニコニコ微笑み、楽しいジョークを言う李さんしか知らない。
「もう限界です。」と李さんは訴えてきた。一刻も早く日本に戻りたい。日本で安心して入院生活が送れるところを探して欲しいと。
「帰国者の友」に集う友人達と相談し、大阪の脳神経外科病院を探した。
・北野病院…「リハビリ専門の他の病院を探したらどうですか」
・富永病院…「家族が事前に説明に来るのが原則ですから」
・日本橋病院…「言葉も通じない患者に医療を施すのはちょっとむずかしいです」
「素媛さんは、頭の骨を2箇所取っているので、どうしても再手術が必要なのです。」
「家族は李さんと息子しかいません。二人とも北京でつきっきりの介護をしているので事前に説明に来られません。」
「行政に通訳を頼むから大丈夫です。」
こちらがいくら説明しても、日本語が通じているのかしら?と思うほどかみ合わない。とにかくダメだと言う。北京の病院の医師に書いてもらった中国語の病傷説明書に日本語訳をつけてFAXを送っても、日本の病院には通用しない。日本国内の病院ルールは、日本の医師の紹介状がなければ転院できないのだ。名もなき個人が、いくら事情を説明しても聞く耳はない。どの病院も『安心して治療が受けられる地域医療』とか歌いまくっているクセに!
もう、国会議員に頼むしか手段はないのか?かといって、「帰国者の友」メンバーは国会議員どころか市議会議員にも知り合いはいない。八方ふさがりだ。誰か助けて欲しい。李さん夫婦は23日を目途に帰阪するという。23日は私が南昌に発つ日だ…。