毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「朝、小説を読むべからず」   2012年4月22日(日) No.334

2012-04-22 11:09:14 | 日記
つい、日曜だからと油断して、朝から小説を読んでしまった。
ここでの現実逃避の手段として小説は本当に便利だ。
しかし、いくら日曜でも、否、日曜はなおさら、
朝から読むのは良くないことが分かった。
それは、
①全部読むまで顔も洗えない。何もできない。
②読んだあと、小説の中のイメージが頭にこびり付いて、現実生活のスケジュールに支障をきたす。
という二点による。

今朝つい読んでしまったのは、桐野夏生の「東京島」(新潮文庫)。
文面は軽く、非常に読み易い。
しかし、ハッと気がついたら、10時半だ。
今日は朝からスーパー「全家百科」に米や野菜を買いに行こうと、昨夜計画を立てていたが
すっかりその気は失せた。
今私が読みたいのは、
人間関係がトントン拍子に発展して、困難を克服し、まあこんなんで良しとしよう、と
思える、単純明快な友情もの、恋愛もの、歴史ものといったところか。
「東京島」はそうではなかった。
いくら軽いタッチで書いてあっても、
そうもスッキリする結末ではない。

しかし、気に入ったところというか
何度もそのページを振り返りめくってしまう箇所があった。
これからもときどきしてしまいそうだ。
P.91~P.92にかけて、漂流者の隆がヤマザキパンについて描写している。
『ヤマザキパンも素晴らしい。
大衆的なブランドででありますが、万人の口に合うべく企業努力を怠っていません。
柔らかいのに水っぽくない軽さがあり、特にパンの固い耳は秀逸であります。
(中略)
二番目に食いたいのは、同じくヤマザキの八枚切り食パンにバターを塗り、上にうっすらと砂糖をまぶしたサンドイッチです。
(中略)
厚めのトーストにバターを染み込ませ、茹で卵とコーヒーが欲しい。云々』


実は、私もトーストの美味しいのを食べたいのである。
バターじゃなくて、マーガリンでいい。
2月に、冷凍してスーツケースに入れて持ってきたマーガリンが、
もうとっくになくなり、
フライパンで焼いた食パンに付けるものがない。
スクランブルタマゴや胡瓜のスライスを乗っけたりして食べる。
ここに来て、私は初めてどんなにマーガリンが美味しいかを悟ったのである。
ああ、マーガリンが染み込んだちょっと塩味のするトーストが食べたいなあ。
(日本に戻ったら、多分たちまち忘れ去るだろう、この感覚。)
コメント
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