ジャーナリズムはいったい何のためにあるのでしょう?
政府は報道記者を「たかが民間企業の社員だ」と言います。
では内閣府の記者クラブとは、
自分の会社(新聞社)の興味・都合に合わせて
知りたいことを根掘り葉掘り聞く
ただの知りたがり家さんの集まりなんでしょうか。
そうであるなら、
(そんなものに答える必要はない)という菅官房長官の態度は
至極当然です。
しかし!
報道記者は「たかが民間企業の社員」にとどまるはずがない。
報道=ジャーナリズムは民の知る権利を保障するために
日々取材して広く庶民に伝えることが仕事です。
従って、広義の「国民の代表」です。
私たちは新聞やテレビ、ラジオ、週刊誌等のメディアによって
時の政府が何をしているのか知ることができるのですから、
政府におもねったり、忖度したりしない報道を切に望んでいます。
官邸はそうしたジャーナリズムの機能を麻痺させれば
国民を容易に騙せるので、
報道者から国民の代表としての性質を剥奪して
忖度グループとしてのみ存在させようと攻撃しているのです。
まもなく「国会議員だけが国民の代表だ」
と閣議決定する気でしょう。
これは手塚治虫の漫画みたいな話ですが、
本当であるだけに背筋に悪寒が走ります。
昨今の新聞社やテレビ局の寿司友・しゃぶ友ぶりを見れば、
メディアの壊死拡大は歴然としていましたが、
この官邸の押し付け
「記者は国民の代表じゃない(から引っ込んでいろ)」
まで認めてしまったら、もう、自爆です。
政府の言論統制大成功ですよ。
各新聞・テレビ等の全てのジャーナリズムは
今、とんでもない分かれ道に立っていることを
自覚して早く目を覚ましてください。
本当に、しっかりしてくださいよ!
とうとう、こんな危ないところまで来てしまったんですよ!
ーーー西日本新聞 2/22(金) 10:23配信
「記者が国民の代表とする根拠を示せ」官邸側が東京新聞に要求
菅義偉官房長官は20日の記者会見で、首相官邸が東京新聞記者の質問権を制限するような要請を官邸記者クラブに出した問題に関し、官邸側が東京新聞に「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と要求していたことを明らかにした。
東京新聞は20日付の朝刊で一連の問題を検証する記事を掲載。2017年の秋以降、官邸側から「事実に基づかない質問は厳に慎んでほしい」など9件の質問が文書であったと報じた。
記事によると、昨年6月の記者会見で、記者が森友学園に関し、財務省と近畿財務局の協議について「メモがあるかどうかの調査をしていただきたい」と聞くと、官邸側は「記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか」と文書で質問。東京新聞が「記者は国民の代表として質問に臨んでいる」と主張すると、官邸側は「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」との反論があったという。
菅氏は20日の会見で、検証記事に関し「個人的には違和感を覚えるところもある」と指摘。具体的に問われると「コメントは控えたいが、東京新聞側はよくお分かりになっているのではないか」と述べた。
官邸側の対応について、田島泰彦・元上智大教授(メディア法)は「権力が一方的な考え方を押しつけてきており、本末転倒だ。記者は市民が共有すべき事柄を、市民に成り代わって取材し伝えている。広い意味で、知る権利に応える国民の代表である」と指摘した。
西日本新聞社