今回帰宅してみると、猫が居ました。
息子がタイから連れ戻した猫で、ロビンといいます。
ロビンは推定13歳の雌猫で、息子が東京に住んでいたときに
里親募集に応じて連れ帰ったものです。
多くの子猫たちがニャーニャー自己主張する中、
最も控えめで一切鳴かず、
隅にひとり緊張して固まっていた子猫を息子夫婦は選びました。
それ以来、この超引っ込み思案で内気な引き篭もり猫を家族として、
息子は13年の人生を歩んできました。
東京からタイのバンコクへ、バンコクから大阪へと移動する間に、
人間の連れ合いと離別しましたが、猫のロビンとは今も一緒です。
動物は国を移動するのが人間ほど容易ではなく、
注射や身体検査をされたり、動物入国審査を受けたり、何ヶ月もかかります。
息子が先に帰った後、タイの知人のもとで待機していた引きこもりのロビンは
ショックで毛はボサボサに、
ところどころ円形脱毛みたいなまでになっていたそうです。
「犬は人に、猫は家に付く」と言われますが、
関空で再会した息子をロビンは覚えていました。
覚えていたどころではなかった、と息子は言います。
実は、私のマンションは犬猫を飼ってはいけない決まりがあります。
気儘な一人暮らしに慣れている私は息子だけでも十分なのに、
さらに猫まで加わると自分の空間が狭くなるという理由で、
このマンションの決まりを前面に押し出し、
早く誰かに預かってもらうよう中国から催促していました。
しかし、戻ってくるとこの二人?の絆は半端じゃないことが分かりました。
息子が仕事に出かけた後、ずっと部屋(主に押入れ)の中で帰りを待ち、
息子が帰るやいそいそと出迎えて五分ほど二人の儀式
(抱っこして部屋をウロウロするだけですけど)をします。
毎日です。
「さっさと出て行け」と言いづらくなった私は息子に教わったとおり、
弱々しく、優しい猫なで声で「ロビンちゃ~ん」と呼びかけ、
美味しい海老や鰹節などをプレゼントして
ロビンの恐怖心と警戒心が溶けるのを待ちました。
滅多に他人になつかないロビンが、
今日、私にニャーと鳴き、喉をナデナデさせるまでになりました。
息子はロビンとまもなく二人で住めるアパートに引っ越します。
そこは猫O.K.ですからベランダで日光浴もさせられます。
なんだかなあ、せっかくニャーと言ってくれたのになあ・・・・・・。
息子も意外と神経が細やかなところがあり、
今朝は、事業所の代表代理でどこかの説明会に出かけるとて、
いつもパンクロッカーみたいな服装なのが、
「新しい事業所のくせに調子乗ってると思われないようにしないとな」
とか言って、まあ少し一般受けしそうなのを選んで着ていきました。
下は避けたセーターです。
古着屋で一万円以上したんだと(避けて正解だわ)。
ロビンちゃんは控えめなおとなしい子のようですね。
うちの家族は皆、ネコ大好きなのですが、ネコのほうは人間のランク付けをしていて、ルイは息子が君主?でいつも世話をしてくれるお嫁さんはシモベだと思っているようです。
ネコは今、3匹いますが、それそれ個性があって面白いですよ。
ロビンは女の子というか13歳なので、もう大人の女性ですが、二週間ですっかり私に慣れました。息子はそれをいいことにどんどん帰りが遅くなっています(怒)。
3匹も猫を飼うことになったのはどうしてでしょう。我が家では息子はその辺で一匹、その後また一匹と猫を拾ってきて2匹家族になりました。
ペットショップでは絶対に買わないのがいいところです。アメリカのカリフォルニア州ではペットショップは保護された犬猫しか売ってはいけないという法律ができたそうですね。日本でもその法律を作って欲しいと思います(そう言えばこの間の試験でそれに近い解答をした子がいました)。
ルイは狭い土管の中で鳴いていて、泥だらけでした。今も狭いところが大好きです。
お知り合いの方が近くの公園の野良ネコの世話をして、去勢や避妊もしています。野良猫を増やさないことが一番ですね。
猫と人間が共に暮らすことで人間中心主義がちょっぴり改善されることを今回ロビンと3週間暮らして感じています。忘れていた感覚が蘇ってきました。そして、猫は猫一般ではなくそれぞれ個性を持つ生命体だということもしみじみ感じます。
ロビンは非常に慎重で危険を回避する怖がり屋ですが、部屋で新しい場所(私の巨大スーツケース)を見つけたらすぐにそこで昼寝したり、押入れを整理して高いところに物がなくなると、果敢にジャンプしてそこでニャーニャー鳴いたりしています。
ジッと座っている時の猫の思慮深い様子にも魅せられます。もうすぐお別れするのが今となっては残念です(笑)。こきおばさんの家族猫たちもそれぞれ個性を発揮して楽しく暮らしているのでしょうね。外で暮らす猫たちは最近の寒空の下でどうやって生き延びているのでしょう。こんなことも、ロビンが側にいてこそ思い遣ることができます。純粋に同種ばかりで生きているると心も狭くなりますね。