転院先の病院から、早めに介護保険の認定申請をすることを勧められました。 介護保険の対象は、高齢者です。亡くなった私の母は、80歳を過ぎてから認知症を発症し、「要介護1」に認定をもらいました。ただ、それほど高齢ではなくても、クモ膜下出血や脳梗塞のような脳血管系の病気など、特定の病気を患った人は、保険の対象となるのだそうです。 認定が得られれば、自宅をバリアフリーに改造する費用、退院後のリハビリ、家 . . . 本文を読む
韓国人の知り合いに妻の病状を知らせようと、クモ膜下出血の韓国語を調べました。 「クモは雲かな、蜘蛛かな?」 まず日本語を調べ、クモ膜が蜘蛛膜であることを確認。 「蜘蛛は韓国語でコミ(거미)だからコミマッカチュルヒョルかな」 ところが、グーグル翻訳で出てきた単語はチジュマッカチュルヒョル(지주막하출혈)。 チジュ? 地主? 持株? ああ、蜘蛛! 日本語で、蜘や蛛という漢字の音読みなど、考えたことも . . . 本文を読む
転院先の病院は、4人部屋でもテレビがあり、服装は自宅から持ち込み可、食べ物の差し入れも医者の許可があれば可、面会のための談話室も広く、とても快適です。 また、リハビリも、「攻めのリハビリ」を標榜していて、理学療法、作業療法、言語聴覚それぞれ土日も含めて毎日行われます。1日4~5コマで、計3時間。2日に1回入浴(これもリハビリの一環)もあるので、けっこう忙しい。 希望すれば、家族がリハビリに立ち会 . . . 本文を読む
妻の病状も落ち着き、「急性期病院」ではこれ以上、「治療」することはないので、「回復期病院」(リハビリの専門病院)に移ることになりました。 そうなることは、本からの知識で分かっていたので、あらかじめネットで候補の病院を探しておきました。 リハビリ内容の充実度は当然のこととして、頻繁に通うことになることを考えると、場所も重要。家の近く、または私の通勤経路が候補になります。 「都内のほうが、お見舞いに . . . 本文を読む
病院から初めての請求書をもらいました。 入院時、医療費が高額になるので、健康保険組会に「限度額適用認定証」の発行を申請してくださいと言われ、用意してありました。普通、医療費で自己負担は3割ですが、医療費が非常に高額になった場合、自己負担額に上限を設ける制度です。 それでも、保険の効かない差額ベッド代とか、食費などを合わせると、病院に支払う費用は数十万円に及びます。 救急車で搬送されて、8時間に及 . . . 本文を読む
「お母さん、毎日、できることが増えていく。そばで見ていて嬉しい」 入院以来、1日も欠かすことなく病院に通い、妻を毎日看てくれている三女からのラインです。 この日はついに携帯解禁。 何百件も溜まっていたLINEのメッセージをチェックし、返信をしていたとのことです。 翌日、私が面会した時も、携帯を片時も離さない。 「みんな、お見舞いに来てくれるって」 「よかったね」 「何か欲しいものあるって聞かれたか . . . 本文を読む
入院している病院は、外科手術と手術後の治療を行う「急性期病院」というのだそうです。脳血管障害の治療では、手術後、命に係わる状態を脱すると、その後は「回復期病院」に移って、リハビリに重点を置いた治療をすることになります。 もちろん、急性期病院にもリハビリのスタッフはいて、いろいろなリハビリをやってくれます。 リハビリのスタッフには3つの種類の専門家がいて、立ったり座ったりという手足の機能回復を担当 . . . 本文を読む
妻が入院し、自宅のある飯能から川越まで通うのにはやはり車が便利。電車・バスを乗り継ぐと1時間半。車なら1時間で、荷物を運ぶのも楽です。 最初は運転に慣れている私や上の娘二人が運転していましたが、娘たちは早晩嫁ぎ先に帰らないとならないし、私も会社に行かなければなりません。毎日通えるのは、現在無職の3女だけ。ところが3女は大学生の時に運転免許をとって以来、まったく運転したことがないペーパードライバー . . . 本文を読む
わが家の愛犬ハイジは、まもなく14歳の誕生日を迎えます。 この犬種(ウィペット)としては相当な高齢。親や兄弟はほとんど死んだのに、生まれたときはいちばんひ弱そうだったハイジが、今のところ元気にしています。もちろん、若いころと違って長時間の散歩は嫌がりますし、目の色は濁ってきていて、どれくらい見えているのかわかりませんが。 ハイジの面倒は、おもに妻が見ていました。その妻がある日突然いなくなりました . . . 本文を読む
妻は、一般病棟に移る少し前から、点滴以外に食事をとることが許されるようになっていました。ご飯はおかゆ、おかずも小さく切ってあって、柔らかいものが中心です。脳梗塞の後遺症として、嚥下障害(食べ物が飲み込みにくい症状)があるそうですが、幸い、妻は大丈夫でした。 病院食というと、味付けが薄くて、まずいという印象があります。 「味はどう?」 「けっこうおいしいよ。でも、これがね」 袋に入った粉末を指さし . . . 本文を読む
妻が倒れてから長女は脳梗塞に関する本をアマゾンに大量注文しました。脳の病気についての概説書、治療法に関する本、リハビリの関する本……。 脳梗塞の治療法はここ十数年の進歩が目覚ましいので、できるだけ新しいものを選びました。 それらの本を私と娘たちが交代で読みます。専門的すぎてよくわからない本、知りたいこととはずれている本などは途中で放棄。中には、自分の「画期的な治療法」 . . . 本文を読む
10日目に、ICUから一般病棟に移りました。 「病状がよくなったというわけじゃないんですけど、ICUに別の患者さんを入れなければならないので、こちらに移っていただきました。ケアが行き届くように、3人部屋です。差額ベッド代がかかりますけど」 一般病棟の面会時間はICUとはちがって、午後1時から夜7時まで。これで通院が少し楽になりました。 私は妻が入院してからずっと会社を休んでいました。 3女は、 . . . 本文を読む
手術の後、妻は日に日に回復していきました。 麻痺が心配された左半身の運動機能も戻ってきているようでした。左手はほとんど正常で、左足も、ベッド上で足を上げたり下ろしたりすることができました。 「よかったね!」 妻もうれしそうにうなずきます。 しかし、口には酸素ボンベが当てられ、手には何種類もの点滴の針が刺さったままです。 一週間が経ったとき、主治医から病状の説明がありました。 「回復は順調です。左 . . . 本文を読む
妻は、川越にあるテニスコートで、テニスのレッスンを受けているときに倒れ、そこから救急車で川越の埼玉医大の病院に運ばれました。 救急車を呼んでくれたのは、テニスクラブの人で、救急車に同乗し、病院まで同行してくれました。 手術の2日後、駐車場に置きっぱなしになっていた車を引き取りに行き、テニスクラブの方にお礼のあいさつをしました。 あいにく、コーチや病院まで同乗してくれた事務の方にはお会いできません . . . 本文を読む
妻が救急車で病院に運ばれ、脳の緊急手術を受けた夜、駆けつけてくれた長女の夫は医療技師で、心臓外科手術などの補助を仕事にしていました。 手術中の家族待合室で、「脳の手術についてはくわしくないんですが」と言いながら、カテーテル手術などについて、素人のわれわれにわかりやすく説明してくれました。 クモ膜下出血や脳梗塞の手術には、頭蓋骨を切る手術と、開頭せず、太ももの血管から脳まで長い管を入れて治療するカ . . . 本文を読む