韓国出張から帰った翌日、慶州で地震があり、発生直後、韓国の知り合いからラインが入りました。
「ソウルも揺れたけど、日本はどう?」
「大阪では感じなかったよ」
私が韓国に駐在していた11年4か月の間に、実際に体感した地震は1回だけ。ソウルの、ビルの2階にあるカレー屋さんで昼食をとっていたとき、つり下げ型の照明器具や大型テレビがゆらゆらと揺れました。震度としては「3」ぐらいだったでしょう。
今回の慶州地震は、大きいものが2回続き、マグニチュードは5.1と5.8。韓国の報道によれば(→リンク)、「観測史上最大」だということです。ただ、報道には揺れの大きさを直接表す「震度」が書かれていない。
地震の揺れの大きさは、マグニチュードとイコールではない。阪神・淡路大震災と東日本大震災は最も揺れの激しかった場所では震度「7」でしたが、マグニチュードは阪神が7.3、東日本が9.0とのこと。
中央日報/韓国経済新聞の社説(→リンク)は、慶州地震直後に韓国の反核団体が驚くべき迅速さで反原発キャンペーンを展開し、同じ団体が北朝鮮の核実験に対し一部だけ、それも中途半端な声明を出したに過ぎないことに対し、疑惑の目を向けており、それはそれで興味深い記事なのですが、そこに次のような文がありました。
これらの反核団体が国内の原発がマグニチュード6.5~7.0まで耐えられるよう耐震設計されているという点を知らないはずがない。
この書き方は、マグニチュードを震度と勘違いしたものと思われます。
もっとも、地震や防災問題に詳しい知り合いに聞いた話では、そもそも「震度」というのが特殊日本的な数値だとのこと。調べてみると、世界には地震の揺れについてのさまざまな表示法があり、必ずしも統一されたものはないんだそうです。韓国は、以前は日本の気象庁が定めた基準を採用していたとのことですが、2001年から「メルカリ震度階級」という12段階の基準に変更されたとのこと。しかし、韓国では地震が滅多に起こらないので、こうした基準を報道に使う機会も少なく、一般的にもよく知られていないので、地震報道にも使われないようです。
いずれにしても、「観測史上最大」の地震にもかかわらず、人的被害がなかったのは幸いです。
一方、8月24日にはイタリア中部でマグニチュード6.2、推定震度「5強」の地震が発生、死者294人の死者を出す大惨事になっています。また同日、あまり大きく報道されませんでしたが、ミャンマーでも地震があり、M6.8。震源に近いバガンでは、100基以上の仏塔に被害が出たということで、心配しましたが、死者は4名とのこと。マグニチュードの大きさに比べ、震度は小さかったのだと思われます。人的被害が少なくてなによりです。
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不可能派は、「あたかも予知が可能であるかのように言って、研究費をせしめている」と…
予知ができてくれると嬉しいですが。
以前地震専攻の方と話しましたが、あれほどのメッシュで、離島まで含めた震度を速報できる国は、日本以外皆無のようです。
韓国で震度とマグニチュードを勘違いしやすいのは、未だ日本の気象庁に依存する部分が残っていることと、日本の震災が他の国より身近なためでしょうか。