第一回ＷＢＣの思い出

　うっかり忘れていたのですが，３月２５日で，当ブログ（旧犬鍋の韓国便りを含め）は，３周年を迎えました。読者の皆様の温かいコメントのおかげです。ありがとうございました。

　ところで，３年前（２００６年）の３月といえば，第一回ＷＢＣが熱戦を繰り広げていたころですね。

　当時韓国にいた私は，韓国戦中心の番組編成で観戦していました。今回と同じく，生中継は昼間になる。職場でテレビはつけないので，ネットで速報を見る以外は，昼休みにテレビのある食堂で，ということになります。

　始まる前から例のイチローの「３０年発言」などで，報道も盛り上がっていた。日本が予選落ちしそうな雲行きに，「いい気味だ」というムード。ところが，アメリカがこけたおかげで日本が決勝ラウンドにあがり，あろうことか準決勝で日本が韓国に勝っちゃった。

　全国民の関心が一気に薄れたあとの決勝戦，日本対キューバは月曜日。

　前の週の韓国－アメリカ戦（韓７－３米）を観戦したのと同じ中華料理屋に行きました。しょぼい店の割にはけっこう大型のテレビがあって，観戦にはうってつけです。

（あれっ？　やってない）

　なぜかテレビは消されています。いっしょに行った韓国人が，レジにいたおばさんに

「ちょっとテレビつけてくださいよ」

と言うと，おばさんは生返事。しばらく待ったが，スイッチを入れる気配がない。
　今度は，チャジャンミョンが運んできたアジョシに，

「野球やってますよね，決勝戦」

と言うと，

「クレヨ？（そう？）」

と，そそくさと立ち去る。

（うーん，どんどん時間が経ってしまう…）

　仕方ないので，もう一度レジのおばさんに催促する。

　今度は……


聞こえない振り


（そんな露骨な…）

　私が日本人であること知ったうえで，どんなことがあっても見せないぞ，という決意が伝わってくるかのようです。ま，日本戦なんて胸くそ悪い，見たくもないという大方の韓国人の気持ちを代弁した行為なんでしょうけどね。

　こんな店，二度と来るものか！

とそのときは思いました（その界隈に中華料理屋がない関係で，チャジャンミョンが食べたくなったときは仕方なく行きましたが）。

　結局，日本が優勝を決めた決勝戦は，生では見られませんでした。

　その数日後，近くにある「テキサス」という世界のビールを揃えているアメリカンなお店で，大型プロジェクターで決勝の日本・キューバ戦の録画（ＮＨＫのＢＳ）を最初から最後まで放映していたのに偶然行き合わせて，まるまる観戦することができたのはラッキーでした。