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le corsaire




新春初見。
ロンドン・コロシアムでイングリッシュ・ナショナル・バレエの「海賊」を。

華やかでカラフルで、美と勇気と希望、ロマンと笑いにあふれるすばらしい舞台だった。


どうしてもエイジズム調になるのが不本意なのだが、41歳のプリンシパルにしてダイレクター、タマラ・ロホ(Tamara Rojo)のグロリアスな美を、キューバ出身の若い男性ダンサーたちが脇を固めて支えるという構成。これは大成功。ロホがどんどん乗っていく様子が手に取るようにわかり、こちらもほんとうに熱狂させられてしまった。

ハリウッド映画の図式とは反対な現象だ。あそこでは中年や老年の男の相手として20代の女が「老けすぎ」と避けられる世界なのだ。

アリ役で観客に興奮旋風を引き起こしたシーザー・コラレス(Cesar Corrales)なぞ、なんと19歳! ステイタスはジュニア・ソリストだが、もうすでに一流の貫禄。今まで見た中でも全く遜色のない(バリシニコフ、ルジマートフ、熊川、コレラ、ヴァシリフその他)最高のアリだった! 

キューバのダンサーというのはもちろんカルロス・アコスタが先駆けだ。ちなみに彼の甥、ヨナ・アコスタ(Yonah Acosta)もビルバント役で出ている。彼はたしか25歳くらいのはず。彼もものすごく上手い。
そういえば村上龍が著書の中でキューバの音楽教育を絶賛していたのを思い出した。古い本だが(たぶん「存在の耐えがたきサルサ」)本棚のどこかにあるはず。探してみよう。


タマラ・ロホのバランス感覚と妖艶さ円熟味と、若いダンサーの絶妙なスピード感、筋書きのワクワク感、エキゾチックな衣装の美しさ...ああ、もう一回見たい。今週末はアクラム・カーン(Akhram Kahn)の新作を見る予定なのだが、「海賊」と梯子するかな...



(写真はwww.thegardian.comより、アリに扮するCeasar Corrales)
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