検事長を追い落とす刺客は「麻雀」をその手段に選んだ。
一滴の血を流すことなく、過去の名検事、一流芸能人や文化人が大挙しても無しえなかった「検事長辞任」を、いとも簡単に、あっけなく、実現したのである。
「青酸カリ」にも、「トリカブト」にも匹敵する、「猛毒」ともいえる麻雀。とはいえ、「麻雀」はそんなに「悪」なのか?
確か、大型クルーズ船内でも、コロナで下船できない際に、時間つぶしに麻雀が行われ、感染者を蔓延させたような報道があった。
そして、今回の賭けマージャン事件。賭博や博打となる上、贈収賄の疑念さえある。
ゆえに、麻雀は「三密」の温床!ゆえに、麻雀は「犯罪」の片棒、ゆえに、麻雀を撲滅せよ!なん~て動向にならないか不安である。
今回の辞任劇は「瓢箪から駒」、私自身はルール逸脱案件なのだから、良い方に転んだと思っている。しかし、「記者宅での麻雀」が「三密」になるから、麻雀はダメっていうのはどうなんだろう?
これが「家族」ならいいのか?外出自粛で家族で麻雀!ありえない話ではない。でも、本人は仕事で出社、奥さんはパートで出勤、子ども達は仕事や学業で外出っていう家庭なら、それぞれ、外でウイルスをもらっているかもしれないので、今回の記者と検事長との麻雀と条件はあまりかわらない。
「こんな時期に麻雀するなよ!」って言うなら、「麻雀」を「食事」に置き換えて欲しい。家族で「雀卓」ではなく「食卓」を囲む・・・それすらダメなのだろうか?
一方で「賭け事」だからダメなんだよ!っていう話も、巷に雀荘がこれだけ営業している実情からすれば、少なからぬ賭けマージャンが行われているのは想像に難くない。なら「違法な賭博の温床となっている雀荘すべて閉鎖!」って自粛警察が言いそうである。
その考え方が認めらるなら、「スピード違反」や「ひき逃げ」の温床となる自動車の利用を撲滅せよ!っていうのもありえる話だろう。でも、現実にはありえない・・・人間、自分に都合のいいことや関係のないことにには大声を上げるくせに、自分が不利益になりそうなことには目をつぶる。
正直、生まれたての赤ん坊以外で、一切の法令を違反せず生きてきた人は、この世に存在するのであろうか?
そう、自分が犯してきた法令違反には、全くお構いなしで、全く反省もしないくせに、他者が叩かれている姿に拍手喝采する・・・
人間って醜いな。