日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

『うそうそ』 畠中 恵

2006-09-23 | 本と漫画の話


人気の『しゃばけ』シリーズ第5弾です。
やっと図書館の順番が回ってきました。 長かった…

しゃばけシリーズとは
江戸の大店、廻船問屋兼薬種問屋「長崎屋」の一人息子一太郎・通称“若だんな”は、小さい時から生きているのが不思議なくらい体が弱く、周囲からとにかく大事に育てられてきました。特に甘甘なのが、二人の“兄や”「佐助」と「仁吉」です。
実は若だんなの祖母おぎんは“皮衣”様という大妖怪で、その血を引く若だんなは妖怪が見える体質。
佐助と仁吉も実は皮衣様から守役に遣わされた妖怪「犬神」と「白沢」で、若だんなの周りには他にも鳴家(やなり)や屏風のぞきなどのなじみの妖怪がずらり。
そんな中で起こる事件や不思議を、若だんな達が謎解きしていくストーリーです。


周囲から度を越して甘やかされまくりの若だんなですが、寝てばかりで何もできない自分にコンプレックスがあるものの、とても素直で真っ当な優しい性格。
過剰なまでにかいがいしく若だんなに世話を焼く佐助と仁吉も、いざという時は妖怪としての並外れた能力やパワーを発揮して活躍します。
でもその行動の基準が、「正義」とかじゃなく全て「若だんな中心」なので、若だんなに危害が加えられそうな時は誰が相手でも容赦なし、若だんなに害がなければ興味なし
他の妖怪たちも個性的で面白いです。若だんなにまとわりつく鳴家が特にいい味出してます

そんなシリーズの最新作は、長編です。
しかも、ほとんど家から一歩も出られない(周囲の過保護のせいもある)若だんなが、今回は旅をします。
地震で落ちて来た物で頭を怪我した若だんなは、養生のため、箱根に湯治に行くことに。初めての旅に浮かれる若だんな。
ところが、箱根に向かうため乗り込んだ船内で、佐助と仁吉が揃って失踪します。
普段片時も若だんなのそばを離れたがらない二人の謎の失踪。
二人が見つからないまま、宿では早速人攫いに襲われます。
その上攫われる最中に天狗の襲撃まで受け、何が何だか分かりません。
どうやら若だんなは箱根に歓迎されていないらしい…
他にも、敵か味方かわからない雲助「新龍」や、人攫いの侍二人、謎の女の子などが関わってきます。
その間も度々起こる地震。
佐助と仁吉はどこへ行ったのか若だんなは無事江戸へ帰れるのか


といった感じです。
いつもの家を離れたので、常連の妖怪たちが出てこないのと、佐助と仁吉の出番が少なかったのが寂しかったですが、代わりに若だんなに付いて来た3匹の鳴家が「きゅわわわ?」「ぎゅいいいいーっ」「きょんげー」「ぎょぴーっ」と所々で活躍してくれ、謎の雲助・新龍のキャラもナカナカ魅力的でした。
色々思惑のある人物が(妖怪も)出てきたわりに、話もそんなに複雑ではなく、ストーリーも楽しめました。
事の発端があまりにも些細なのに、問題が大きくなりすぎた感が少しありますが、神様が絡むだけにそれもいたしかたないか?


各シリーズのストーリー、キャラクター、かわいいイラストはぜひ公式ページでご覧ください
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする