日々茫然

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マリと子犬の物語

2007-12-15 | 映画の話

動物は大好きですが、“泣ける”系は苦手なので、全く見に行く気がなかった映画です。
ところが、妹に突如「見に行かん?」と誘われ、それなら付き合おうか、と母と3人で見に行って来ました。

 マリと子犬の物語

新潟県の中越地震の際に起きた実話を基に描かれベストセラーとなった絵本、「山古志村のマリと三匹の子犬」を映画化したものです。

山古志村のマリと三匹の子犬 山古志村のマリと三匹の子犬
桑原 真二 大野 一興

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 犬のマリは三匹の子どもを産んだその日に、中越地震に見舞われました。地震で交通が寸断され、孤立した山古志村は、全村民が非難する事になります。ペットまでは連れて行けず、取り残されるマリ。閉じ込められた村の中で、16日間を独力で生き抜いた、マリと子どもたちの実話を絵本化。

映画では、「母犬が子犬と共に取り残され、生き抜いた」というエピソードのみを残し、飼い主の家族の設定などは変えてあるようです。

 幼い頃に母を亡くした亮太(広田亮平)と彩(佐々木麻緒)の兄妹は、役場に勤める父の石川優一(船越英一郎)、祖父の優造(宇津井健)と新潟県山古志村で暮らしていた。ある日、2人は生まれたばかりの子犬を拾って、“マリ”と名付ける。やがてマリは成長し、3匹の子犬を生むが、そんな幸せな一家を大きな地震が襲った―

もう見る前から分かってましたが、そりゃ泣きますって
動物好きなら、「もし同じ状況(ペットを残して避難しなければいけない)になったら…」と考えただけで、辛くって辛くって
妹はこの有名な実話を知らずに「見に行きたい」と思ったらしく、「最後は助かる」ということも知らなかったそうですが、知ってても、そりゃ泣くって(←しつこい)

でも、マリの(演技したワンコも!)賢さや健気さはもちろん見所なのですが、さらに見て良かった、と思ったのが、地震の瞬間の映像でした。
大画面で見ると、凄く怖かった。これでもかと襲ってくる激しい余震も。
もう勘弁してあげて、と謝りたくなる(誰に)くらいでした。

 

当時テレビや新聞で、実際の悲惨な状況も報道されてましたが、「その瞬間」の映像ってあまりないし、あっても本当に被害の激しかった所は映像すら残らなかったのでしょうから、破壊され尽くした「その後」のリポート映像でしか実感できなかったわけです。
倒壊した家屋や、大きな亀裂の入った道路、崩れた山肌などの映像を見ながら、「凄かったんだな、怖いな、」とは思いましたが、現実の恐怖って、私なんかの想像を超えていたんだな、と思い知らされました。
映画ですから、もちろん演出ですし、それこそ現実の怖ろしさには到底及ばないのでしょうけど、「自分の想像は甘かった、現実はそんなもんじゃないんだ」と気付けただけでも収穫だったかな、と思います。

最後に、子役の2人(特に妹)、こんなに上手くていいの、と驚くほど演技が上手でした。(ワンコももちろん名演技)
母と妹は、妹役の子の演技を絶賛してたけど、私は上手すぎて引いたくらい…
それと、明るくて幼い妹が家族の中心なので、お兄ちゃんはいつも控え目に妹を見守る役でしたが、私は長女なので、この我慢強いお兄ちゃんにもの凄く共感しました

設定やストーリー展開など、ちょっと強引だったり出来過ぎだったり、「うーん?そこはどうなの?」と突っ込みたくなる所もありますが、地震災害の恐ろしさや命の大切さについて、幅広い世代に分かりやすく訴えることが出来る作品になっていると思いました。

コメント (8)
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