水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

快楽を止めないで

2016年08月20日 22時16分28秒 | 詩編
 来る  来る  苦しみが  来る    来る  来る  狂いが  来る  待つ  待つ  松の木の下で  待つ  僕ら  比類ない歓喜を経て  最大の苦しみを得る  それは  避けられない事実  読む  読む  黄泉の綴りを  読む  食ぶ  食ぶ  誑かす君の耳たぶを  食ぶ  終わらない音楽の意志を継いで、夜に歌いたい……ひたすらに  詰まらない日々を蹴散らして、喰い散らかしてさ . . . 本文を読む

流離う旅情

2016年08月18日 16時54分32秒 | 詩編
 束ねるほどの勇気もなく  バラバラのままの不安は    音もなく白の夕闇に紛れる  際限ない欲望の後先は  暮れゆく日常のぼやき  卵焼きなら、温めてある  と、亡くなった爺ちゃんは  しやべって、雲間へ帰る . . . 本文を読む

聖なる殺人

2016年08月18日 01時03分27秒 | 詩編
 僕を殺して  聖なるマリア  真っ白で細い指に、  茨を忍ばせて  僕の首筋に、  刺して  ああ  蚊が  血を吸う時に、  刺すように、  軽やかに刺して  背には十字架を担ぐから  さあ愛の赴くままに  約束の日に . . . 本文を読む

色めきざわめき端午雪

2016年08月18日 00時20分25秒 | 詩編
 愛と欲望の氾濫する街角に  今日も雷雨がやってくる  新宿3丁目か  池袋ウェストゲートパークか  怪訝な顔をして行き交うgalの  舌打ちに愛想を尽かしそうな危うい宵の口  メロメロに、雪が溶けちまう夜のPOPでcuteな過ちに  すぐにでもイきかかる僕の頑是ない魂は  五月雨を思って、秋に散る。 . . . 本文を読む

遊び過ぎての堕落と咆哮

2016年08月17日 23時00分50秒 | 詩編
 ああ、  色仕掛けにすぐ騙される  俺は、儚く夜に勤しむ。  すぐ騙される俺の  気高いエロスの果ては  黄色い空  たくさんの女が  咲いては  散っていく  夜のクラブみたいな  そんな世界   . . . 本文を読む

月欠けども再誕

2016年08月17日 20時44分08秒 | 詩編
 ひとりひとりの天才が  今日も晴れた日の雲間   白く燥いで踊る  すべてを忘れ去る日を  想い描きながらだって  笑って走る草原のうえ  どうしようもなく  抗いようもない季節が  ふたりの間に  音もなく  立ちはだかろうとも  いずれ甦る音楽が  出会いの永遠を保管する . . . 本文を読む

地獄からの便り

2016年08月16日 22時40分04秒 | 詩編
 土を貫徹して  途端に、地中から、鬼たちが  飛び出してきた  「ほれ、君にお便りさ!」  そう言って、鬼たちは、また  同じ地中へと帰っていった。  その手紙には、こう書いてあった。  (つまりは、人間どものエゴと、虚しい欲望の創造物で、僕らね、息の根が止まりそうなんだ。   はっきり言って、ことごとく悪を締め出すことなんて、ひとつの罪悪さ!)  ああ、僕らは、裁かれるために、生きている . . . 本文を読む

恍惚とエロス

2016年08月16日 22時39分00秒 | 詩編
 はみ出した  僕の欲望が  春の風に  吹かれ  吐き気を催す  残酷なまでの  エロスは  天国へ続く階段を  一歩一歩確実に登らせる  僕らは  騙されるばかり  何一つ  完成されない  僕らの生きている  この世の中では  真の浄土は  見つけられるか?    もし見つけられたら  Facebookにでも載せて  拡散させて欲しい  僕らは  求め合っている  星々の持つ万有引力の . . . 本文を読む

悲しい歓喜

2016年08月15日 00時35分09秒 | 詩編
 ズレていく  日々の思想  感情が滔々と流れる河を  君とふたりで下るなら  世界を何度分け合っても   足りない欲望の影を視る  ベッドの上で軋むそれは  何にも気にかけない動揺の様に  ふたりの胸の中へも這い入る様だ  世界を切断する術を手に入れたとして  間に合わないふたりの密やかな逢瀬の  結末を思い描くのは偉大なる神の仕事 . . . 本文を読む

ズレ、間、差異

2016年08月15日 00時29分51秒 | エッセイ
 僕らの意識の真相は、ズレと間と差異によって明かされる。  赤い真夜中に、テーブルの上に残したパンケーキの熱量さえ、僕らの意識がそれに到達する前に、その温度はどんどん大気中に逃げていく。  かるが故に、僕らが何かを実現させるには、僕らは何かを未成就のままにしなければならない。  想像が逞しく広大な草原を駆け抜ける、そのイメージでさえ、僕は夜のパーソナルコンピュータの前で思い浮かべているに過ぎない。 . . . 本文を読む

秘匿

2016年08月15日 00時29分20秒 | 詩編
 そっと、呟く  内緒だからね  わたしと  あなたの  間だけの  今日の話  絶対誰にも  言わないでね。  だって、  今晩のことはわたしと  あなたの秘密  これをあなた  守れるかしら  星が落ちてくる前に  あなた決心できそう?  熱い眼(まなこ)と心の  温度を保ちながら…… . . . 本文を読む

線路遥遥連なる世

2016年08月14日 22時30分16秒 | 詩編
 続く線路の幾千里  向こうの透明な世界まで  何かを問うて 行きとうて  ならぬ わが欲望の果て無きを知る  黄色い異次元へ  連なるその鉄路の向こう  その放埒の国へ 向かいたい 向かいたい  声に溺れるしたたかな南風の  寂しい嗚咽に何もかも預けて  寧ろ吹き出す吐息の嵐に顔を埋めて  寂しい線路の その向こう  風吹く方へ 走り出したい . . . 本文を読む