来る
来る
苦しみが
来る
来る
来る
狂いが
来る
待つ
待つ
松の木の下で
待つ
僕ら
比類ない歓喜を経て
最大の苦しみを得る
それは
避けられない事実
読む
読む
黄泉の綴りを
読む
食ぶ
食ぶ
誑かす君の耳たぶを
食ぶ
終わらない音楽の意志を継いで、夜に歌いたい……ひたすらに
詰まらない日々を蹴散らして、喰い散らかしてさ . . . 本文を読む
束ねるほどの勇気もなく
バラバラのままの不安は
音もなく白の夕闇に紛れる
際限ない欲望の後先は
暮れゆく日常のぼやき
卵焼きなら、温めてある
と、亡くなった爺ちゃんは
しやべって、雲間へ帰る . . . 本文を読む
僕を殺して
聖なるマリア
真っ白で細い指に、
茨を忍ばせて
僕の首筋に、
刺して
ああ
蚊が
血を吸う時に、
刺すように、
軽やかに刺して
背には十字架を担ぐから
さあ愛の赴くままに
約束の日に . . . 本文を読む
愛と欲望の氾濫する街角に
今日も雷雨がやってくる
新宿3丁目か
池袋ウェストゲートパークか
怪訝な顔をして行き交うgalの
舌打ちに愛想を尽かしそうな危うい宵の口
メロメロに、雪が溶けちまう夜のPOPでcuteな過ちに
すぐにでもイきかかる僕の頑是ない魂は
五月雨を思って、秋に散る。 . . . 本文を読む
ひとりひとりの天才が
今日も晴れた日の雲間
白く燥いで踊る
すべてを忘れ去る日を
想い描きながらだって
笑って走る草原のうえ
どうしようもなく
抗いようもない季節が
ふたりの間に
音もなく
立ちはだかろうとも
いずれ甦る音楽が
出会いの永遠を保管する . . . 本文を読む
土を貫徹して
途端に、地中から、鬼たちが
飛び出してきた
「ほれ、君にお便りさ!」
そう言って、鬼たちは、また
同じ地中へと帰っていった。
その手紙には、こう書いてあった。
(つまりは、人間どものエゴと、虚しい欲望の創造物で、僕らね、息の根が止まりそうなんだ。
はっきり言って、ことごとく悪を締め出すことなんて、ひとつの罪悪さ!)
ああ、僕らは、裁かれるために、生きている . . . 本文を読む
はみ出した
僕の欲望が
春の風に
吹かれ
吐き気を催す
残酷なまでの
エロスは
天国へ続く階段を
一歩一歩確実に登らせる
僕らは
騙されるばかり
何一つ
完成されない
僕らの生きている
この世の中では
真の浄土は
見つけられるか?
もし見つけられたら
Facebookにでも載せて
拡散させて欲しい
僕らは
求め合っている
星々の持つ万有引力の . . . 本文を読む
ズレていく
日々の思想
感情が滔々と流れる河を
君とふたりで下るなら
世界を何度分け合っても
足りない欲望の影を視る
ベッドの上で軋むそれは
何にも気にかけない動揺の様に
ふたりの胸の中へも這い入る様だ
世界を切断する術を手に入れたとして
間に合わないふたりの密やかな逢瀬の
結末を思い描くのは偉大なる神の仕事
. . . 本文を読む
僕らの意識の真相は、ズレと間と差異によって明かされる。
赤い真夜中に、テーブルの上に残したパンケーキの熱量さえ、僕らの意識がそれに到達する前に、その温度はどんどん大気中に逃げていく。
かるが故に、僕らが何かを実現させるには、僕らは何かを未成就のままにしなければならない。
想像が逞しく広大な草原を駆け抜ける、そのイメージでさえ、僕は夜のパーソナルコンピュータの前で思い浮かべているに過ぎない。 . . . 本文を読む
そっと、呟く
内緒だからね
わたしと
あなたの
間だけの
今日の話
絶対誰にも
言わないでね。
だって、
今晩のことはわたしと
あなたの秘密
これをあなた
守れるかしら
星が落ちてくる前に
あなた決心できそう?
熱い眼(まなこ)と心の
温度を保ちながら……
. . . 本文を読む
続く線路の幾千里
向こうの透明な世界まで
何かを問うて 行きとうて
ならぬ わが欲望の果て無きを知る
黄色い異次元へ
連なるその鉄路の向こう
その放埒の国へ 向かいたい 向かいたい
声に溺れるしたたかな南風の
寂しい嗚咽に何もかも預けて
寧ろ吹き出す吐息の嵐に顔を埋めて
寂しい線路の その向こう
風吹く方へ 走り出したい . . . 本文を読む