日常のささやかな揺らぎを
瞼に浮かべてまどろむ君
その時世界が終わるけど
何でもないよと音が別れる
風の戦ぎにうろたえる僕も
君のあくびに恋慕をする
時の移ろいを掬いあぐねど
溢れる記憶をまたも零して
夢で見たよな暗黒の細部へ
感覚ではつかめない妄想を
泥に溶かして潰えさせたんだ
. . . 本文を読む
愛が囓られた痕を
真夜中に見つめて
タイルが剥がれ落ちていく
黒く滲む星空から
ピットピットと……
泣きっ面にタッチした
君の両手を
もう一度ハチミツで
ベトベトにしたい今宵
タキシードで固めたこのやるせない身を
誰か引き取ってくれるだろうか
この意味もなく土砂降りの晩に……
さり気なく広がるこの砂漠のような宇宙の
静かな寝息を象るように僕ら断崖から落ちて
夢 . . . 本文を読む
僕から見えなくなった
ガラス窓の向こうの風景を
11月の風に晒して
時を山のように越えて
探していた嘘の田んぼを幾つも数えながら
僕はあなたのついた嘘さえ知った……
宇宙が謎をけしかけてくるのを
やめないから
僕は、白い風景のなか息を吸って
愛を追いかける . . . 本文を読む
泣き言
戯れ言
繰り返す
僕の窓辺に月よ沈んで
広がりゆく
僕の夜の目の宇宙に
ささやかにkissをして
君のあどけない存在よ
夜が閉じてゆく午前2時に
愛の片鱗を輝かせて
君の目から鱗が落ちてしまうように
. . . 本文を読む
ソフトヴォーチェで
囁くあどけない天使の
滑らかな唇に
垂らしてみるメープルシロップの
温い温度に
夜が寄り添って
駆け過ぎていく
茶色の妄想が
吹雪となって
ピアノの怠惰を
浮き彫りにする
瞳の嘘を暴く技術を学んで . . . 本文を読む
なんでだろ?
そんな問いを、幾百も重ねる
重ねた唇の熱さを思えば、何千回だって夜の重みに耐えられるだろう!
今宵も、僕の驚きの源は、君の瞳
何千回も巡る太陽の旅程に
二人約束を交わして
時代を画する契りを交わして
列車の荷台に希望を載せて
ロシアで果てる夢の数々に
手を合わせる
口裏合わせた僕と君の
罪業だけは軽快な曲に乗せて
未来へ郵送してやろう!
そんな、 . . . 本文を読む
ありがとう、って言いながら
ご覧!光る青い空を
見つめ合う君のその青い目の色を
夢が出しゃばる快速電車を乗り継いで
君の目が青くなる瞬間を逃さないで
雨だって降りゃあ心浮き浮きだろ
時ノ和を
実現して
夢がひょっこり顔を出す
あの日の浜辺を駆け回る
ある晴れた安息日
暗黙の了解を
共に投げ合って
浮かれ気分で
走り回る午後
そんな青さが、僕らの証、夢 . . . 本文を読む
綺羅羅と光る
僕らの意志の破片の彩色のうちに潜む
狂気の塵芥が宙に舞う
真っ青な意志のその浮き沈みに
そっと僕ら背伸びなんかでアクセスして
夢見がちな少女の想像にtouchして!
高い空で幼気に踊りを舞っている愚かな妖精たちの出現を
心待ちにしながら
風街の夕立のなかで佇むは僕
そのとき抱く悲しみは
青く
青く
夢の破れた果てに見つけるような浜辺の幻想
ふたつの . . . 本文を読む
グニャッと
折れ曲がった東京タワーの
争いの最中の
黒い影に
ドラムの音を共鳴させてみる
夕べ悴んだ手のひらを
ウィスキーで汚して
気怠い夜の紳士たちを
真っ黒な鏡の奥へと
押し込んだ . . . 本文を読む
嘘じゃない言葉を紡ぎたい
それは風の泣き声
それは海の嗚咽
楽観主義を日々纏って
妄想を追い越そうと画策する
僕の頑是無い魂よ
愛でよ
今世紀最大の過失を
今宵最大の間違いを
夢のなかで
踊るモグラのように
僕ら手探りで
真実を弄る生き物 . . . 本文を読む
何を 何を
追い求めているのか
欠けているのは
あなたの目
真っ黒な世界で
僕ら手からすり抜けさせてしまうのは
あの子の声
いつまでも
手に入らない
君のイメージを
綺麗な厚紙に包んで
今宵の空気に有り触れたい
. . . 本文を読む
今宵も
珈琲を
咽に流し込み
この胸に痞える
微かな憂いを
闇に葬り去った
ゆったりと
心の臓が
闇の中で
時を刻む
何か大事なことを
忘れてしまったような
気もしたが
まあそれはどうでもよいこったろうと
言い聞かせるだけ
目を瞑って
がらんどうのような
何もないこの闇に
とりあえず
じっと耳を澄ます
堅牢な
独房のように
暗く
閉じた . . . 本文を読む