友ちゃんブログ

適当で、いい加減・・・それが理想

昔話~〇城編(2)~

2008年08月11日 00時32分38秒 | ブログ

さて、ゼンリンでお家を確認して、包み物を買いに向かったお店が桜馬場交差点の「異●堂」でした。会社が〇並、お客様宅が〇城ですから、遠廻り。それは他に思いつかなかったのと、直ぐには行きたくなかった、時間が欲しかったからです。
「これをお願いします」
「贈り物ですか?」
「えっ。あっ、はい」
「熨斗はどうされますか?」 
「えっ。(熨斗と言われてこがん時は?知らんばい)・・・いりません」

さあ、とうとう家の脇まで来てしまいました。
「殺されはせん。殺されはせん」とお題目のように心で唱え“ビビり”ながら玄関へ。何故そこまで、ビビっていたかというと、俗に言う「漁師町は気性が荒い」に加えて、この辺りには「その筋の方」もいらっしゃるのを知っていたからなのです。心臓はドキドキ、震える手で引き戸を開け「こんにちは。〇〇〇○です」
奥から「おお、上がれ」とご主人の声。
さらに和室の引き戸を開けて上がり、正座してご主人と奥様に包み物を差し出し
「この度は誠に申し訳ございませんでした」と、深々と頭を下げました。
「おいはそがんとば貰う為に、呼んだとじゃなかばい」
「いえいえ、これはお詫びの・・・」

もちろん、一部始終は覚えていませんが、おっしゃったのは
「お前んとこ(会社)に台風の修繕ば頼んだ事なかとに、突然請求書だけば送り付けてきたけん、ふざくんなっち言うことたい。あんなぁ、ヤ〇ザでも金ば巻き上げようてするときゃ、ちょっかいだしてから(絡んでから)すっとぞ。何もせんで、いきなり金ば取るとはヤ〇ザより酷どがぞ。だいが(誰が)請求書ば書いたか知らんばってん、どがんこつか?あぁ?」
「(直ぐには『私です』とは言えなかった)ごもっともです。申し訳ございません」

電話先では部長も相当罵声を浴びせられたようですが、お酒が入っているのと多少興奮されているぐらいの口調だったように思います。それでもトクトクとお話しを続けられました。そして、話しているうちに落ち着いてこられました。

「あんたが悪か訳じゃなかとやろけど、会社の代表で来とらすけん、おいは言よっとバイ」
「はい。申し訳ございませんでした」
それから、奥さまも
「すみませんね。酒飲んどらすけん、少しきつかばってん、悪か人じゃなかとですよ」
「はい、わかっております」

そして、
「もう、足ばくずさんな、あんた家は何処ね。大村ね?」
「はい、T松本町です」
「酒は飲むとね?」
「はい、すこし」
「同じ大村の人間なら、仲良うしとかんばの。今から先、飲み屋で会うかもしれんけんの。そんときまで喧嘩はしとなかもんの」
「はい」

それから、他の話もできる雰囲気になり、
「5・6年前ですけど、前の道の下水道管工事でお世話になったことがあっとですよ。違う会社ですけど」と切りだすと
「あぁ、あんたも来とらしたとね」
「はい、来よったです」
「あんた達は、そん工事の時に家の樋ば壊したとバイ。監督が修繕ばするて言うたまんま、来んやったぞ。やかましゅう言うてやらんばって思っとったとバイ」
「そうやったとですか、すいませんでした」
「あんたは、よくよく俺からがらるっごつなっとたとバイ。(笑)」
「ほんとですね(笑)」

約一時間程おじゃましてました。
「それでは、そろそろ失礼します」
「会社によう言うとっての」
「はい。わかりました」

来た時とは打って変って、

『漁師町は気性は荒いが、“気のいい人が多い”』

と新たに認識し、会社へ戻ったのでした。

づづく。

コメント
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