本・古内一絵 「東京ハイダウェイ」

2024-12-22 06:00:00 | 図書館本 読書備忘録 

 内容紹介

ようこそ、心休まる「隠れ家」へ。

東京・虎ノ門の企業に勤める桐人は、念願のマーケティング部に配属されるも、同期の直也と仕事の向き合い方で対立し、息苦しい日々を送っていた。

直也に「真面目な働き方」を馬鹿にされた日の昼休み、普段は無口な同僚の璃子が軽快に歩いているのを見かけた彼は、彼女の後ろ姿を追いかける。
辿り着いた先には、美しい星空が描かれたポスターがあり――「星空のキャッチボール」

桐人と直也の上司にあたるマネージャー職として、中途で採用された恵理子。
しかし、人事のトラブルに翻弄され続けた彼女は、ある日会社へ向かう途中の乗換駅で列車を降りることをやめ、出社せずにそのまま終着駅へと向かう。
駅を降りて当てもなく歩くこと数分、見知らぬとんがり屋根の建物を見つけ、ガラスの扉をくぐると――「森の箱舟」

……ほか、ホッと一息つきたいあなたに届ける、都会に生きる人々が抱える心の傷と再生を描いた6つの物語。

東京・虎ノ門の企業に勤める桐人は、「真面目な働き方」を馬鹿にされた日の昼休み、同僚の璃子が軽快に歩いているのを見かけて…。都会に生きる人々が抱える心の傷と再生を描いた連作短編集。

               

 読書備忘録 

自分だけのひそかな隠れ場所

「今日はサボリます」と会社に電話したあと第五福竜丸をみつけたのは恵理子、電話でそれを受けたのが昼休みに会社近くのプラネタリウムに行く璃子、ふたりの同僚の桐人。

カフェチェーン店の店長の久乃は恵理子の大学の友人。この久乃の話にうるうるした。その久乃のお母さんに恵理子が言われたこと・・・私も美術を勉強していた友人に言われたことがある。それを北欧旅行でご一緒した美術に詳しかった殿方に言った所、初めはね、みんなそうなの。その彼女だってそうだったんじゃない?だから行ってみたいな!観てみたいな!と思ったら行けばいいの。そのうち少しずつわかってくるから・・・わからなくてもいいんだよ。あの場所いいでしょ?と・・・

もうね、なんと言うか、わかるわーとわかった気になる世界・・・ホント生きていると色々あるわけで東京ハイダウェイをみつけられてよかった、よかった。

「私たちは皆、惑いの星の住人だ。完全な人間なんて、一人もいない」

★★★★★