2011.5.4(水・祝)
明け方に止んだらしい雨、おそるおそるテントを出ると天気回復の予感。
土曜日に痛めた足も、時間が経つにつれ安定してきた感じ。
よし!多分大丈夫!と予定通り「和名倉山」へ出発。
空身ピストンなら足に負荷がかからないし、テント装備縦走より大丈夫だろうと決めたコース。
以前から気になっていた「和名倉山」(heppocoさんのレポ)
タクシー代¥10,000かけるんだから、めったにこれない山に行ってみよう決めたのだった。
昨日下見した「将監峠」まで登り、「山ノ神土」の真新しい標識を右へ。
さあ、奥秩父のその奥へ、冒険の山歩きスタートです。
いってらっしゃ~~~い
大きな木に見送られまだ見ぬ山へ入っていきます。
「和名倉山」とはかつては奥秩父の秘峰として、その原生林の美しさが讃えられた山。
登山道がはっきりせず、暗い樹林帯が多い難路。
山中でテント泊する準備が出来、薮こぎに耐える覚悟と体力を持ち、
地図と磁石で針路を決められる技術を持つ者以外には危険な“秘峰”とみられていたらしいが、
今は一般ルートとして地図にも載っているコースもあります。
(Wikipediaより一部引用)
秘境、と言われたらこのエリアを歩く人、誰でも興味を持ちますよね。
朝はまだ寒いこの時期、陽のささない笹の道を抜けると・・・
ぱーっと前方が開けました。
振り返ると遠くに富士山が見えています!
なんと気持ちの良い朝でしょうか。昨日の雨でよりみずみずしく輝いて見えます。
こちらから山頂までの標高差は200mちょっと。
ワイルドな自然林と・・・
石楠花トンネル・・・
岩稜帯を繰り返し、アップダウンしながら進むような登山道でした。
ここは「西仙波 1983m」大きな岩があったのでその上で1回目の休憩。
この眺めはやっぱり奥秩父、国師~甲武信への縦走路に良く似ていると思いました。
こんな岩を登ったり・・・
稜線に出るとなんだかとても高い山に来た様な?そんな山の大きさを感じました。
右奥に見えているのが多分「唐松尾山」
そこから次のピークが「東仙波 2003m」
同じコースの団体さんが2チーム先行していました。狭いピークです。
そこから一旦グングン降ります。手前の小ピークの奥に見えているのが目指す和名倉山かも?
ワクワク&まだまだ・・・先は長いです。
下りきるとひろ~い稜線に出ました。
のびのびゆったり。右手には雲取山が。このあたりを「吹上」と言うのかな?
左手には木賊山~甲武信ケ岳(隠れてる)~三宝山 が見えています。
天気が良ければ南アルプスも見える?と書いてあるけどこの日も黄砂の為か?霞んでいました。
その後も岩陵帯~樹林帯を繰り返し・・・
着いたところが「八百平」あともう少しで山頂かな?と、ここで一休み。
長時間歩行になるので、おやつを色々持って行くとか、コーヒータイムを入れるとか、
なにか工夫をしたほうが飽きなくていいかもしれない、と思いました。
川又分岐を過ぎると・・・
二瀬分岐。例の名物看板に着きました。
ここまでは迷うようなところはありませんでしたが、確かにここは標識がないと解らなかったかも。
何もなければ直進してしまうような場所でした。
ここを左上に進むと秩父湖へ抜ける破線の登山道です。
道標通りに東へ巻くように進んでいくと・・・
山火事の跡?のような「千代蔵ノ休場」
更に進むと恐竜の白骨?と思うようなところを抜け・・・
人が一人やっと通れるような木々の間に入り、いよいよ核心へ!!
コケコケロード、いい感じです!
そしてテント場から約4時間、奥秩父の奥「和名倉山頂 2036m」に到着。
だれがここをピークと決めたのだろう?と思うような原生林の中の平らなピーク。
10人も入れば一杯になる狭いスペース。
ところで・・・ここに来るまでのいたるところで見た錆び付いたワイヤー。
乾いた大きな切り株が、伐採されつくしてしまった様子を物語る。
信仰の山だったらこんな風にはならなかったのかも、ちょっと可哀相な山?
そして山頂にあったこの道標の指す方角は薄暗く、苔だらけの原生林・・・
新しい道標のようですが、この先は地図に破線すら載っていません。
多分雲取林道へ続いているのだと思われますが、私には無理です・・・。
でもこの山の本来の美しさは、この赤い矢印の先にあるのかもしれない、と感じました。
和名倉山=奥秩父の秘境、と思っていたけれど、実際来てみたらイメージとは違ったのが正直な感想。
仕方ないのかな・・・自然と人間はやはり共存しなければならないもの。
かつて深い森に包まれていたであろう「和名倉山」今の姿は本来の姿ではないのかもしれないけど、
主稜線から外れ、静かにどっしりと構えた大きな山であることには変わりないと思った。
コースを変えればまだまだ原生林の森に出会えるのかもしれない。
さあ、来た道を戻ろう。自分たちが歩けるのはここまで。
秩父の山中にこんな山があったんだね・・出会えてよかった。
そしてまた同じようにアップダウンを繰り返し・・・
途中の広い尾根で、甲武信などを眺めながら遅い昼食にしました。
どの山に行っても少しは下界の音や人の話し声が聞こえるものなのに、
ここは一般コースになったと言えども人も少ないし、本当に静か。
鳥の声と風の音しかしない、しーん、という音が聞こえてきそうです。
やっぱり奥深い、大きい山なんですね。
振り返ればそろそろ「和名倉山」ともお別れです。
馬の背のような尾根の先は・・・
「カバアノ頭」と言うそうです。登山道はないみたいだけど行けそう?
今日はたくさんのバイカオウレン(?)に出会いました。
ここまで来れば今日の冒険も終板、良い体験をさせてもらいました。
往復約7時間(昼食休憩含む)戻ってきました。
開けたところでは所々携帯が通じました。
こちら側からは迷うようなところはないと思います。
テント場まで戻る途中、まだ時間が早かったので「牛王院平」の丘の上で一休み。
久しぶりにゆっくりと過ごす山時間。あんなに不安だった足の痛みはいつしかどこかへ消えてました
車の方ならこの後、下山して帰れる程度の時間ですが、私達がこのまま下山したらまたタクシー代¥10000(笑)
なのでテント場でゆっくり2泊のスケジュールです。(幕営代一人¥500)
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今夜のメニューは焼肉 計画大成功の祝杯です♪
小屋の前のテーブルをお借りしましたが、小屋の飼い犬の甲斐犬くんが・・・
「この匂い・・・もうたまらん」と離れません(笑)
その後、日本酒を瓶ごと担いで雲取山からきたテント場の若者2人と意気投合し、
寒いのに真っ暗な中、誰もいなくなるまで外で飲んでしまいました。
呑んべーは呑んべーを呼び寄せる何かがでているのでしょうか・・・
翌日へ。