カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

陣馬山歩

2013-10-29 | ヤマのこと

2013.10.27(日) 

土曜日は出勤だったので家事もしてない日曜日。でも台風一過の晴れ予報と聞いては・・・じっとしていられない。
短時間で好展望を得られる近場の山といえば・・の”陣馬山”へちょこっと出かけました。


 
天気予報どおりの良い天気。相模湖駅から与瀬神社経由で歩きます。
このルートはバスを使わず駅から駅まで繋げられる、思い立ったらすぐ行けるありがたいルート。
と、ついこの間いったつもりで調べたら前回行ってから2年前も経ってた(^^;;



途中植林の道が長いのでちょっと眠くなったりしますが、歩く人が少ないので静かで好きなルート。


 
一旦林道を横切り、登り返せば”明王峠”
紅葉はまだ全然色づいていませんでしたが、電車内から見えていた富士山がくっきりまだ見えます。
先週、初冠雪だったけど雪はすっかり溶けてしまったようで姿は夏富士でした。



明王峠からは行きかう人も増え、陣馬山からの人の声が聞こえてくると・・・



陣馬山頂です。小学生たちの元気一杯な歓声が聞こえ、早い時間なのに賑やかでした。
こんな青空の日に山にいるの、久しぶりです。やはり気持ちいいですね。


 
山名標識を良く見れば、なんとここから南アルプス南部の山が見えるとの表示。知らなかった。



で、ちゃんと見えました、悪沢岳・赤石岳。いつになったら行けるのか?恋しい南アルプス南部さーん。


 
かなり早い時間ですが軽くランチ。
清水茶屋でなめこ汁を頂き、あまりに素晴らしい眺めなのでついつい長居。
大岳山の向こうに三つドッケ方面、三頭山、大菩薩~滝子山、金峰山までしっかりと見えていました。
この間だってこんな台風一過の青空を狙って行ったはずなんだけどなぁ・・・やっぱりずぶんガス女?笑


 
帰るには惜しいような天気ですが色々所用があるので仕方ありません。
一ノ尾根をゆるゆると陣馬山登山口へ下りて・・・


 
ちょうどよい時間のバスがないので今日も駅まで歩きます。
途中民家の脇で珍しい生の落花生を買って、藤野駅でいつものポン酢を買って帰りました。


実は先日の仙骨痛めた後、今度は原因不明の腰痛(左だけ)に見舞われ、
前屈みも辛く、足を上げる度に痛くてよっこいしょ状態で前穂に登って来たのでした。
帰ってきてからも痛みは取れず、矢倉岳の時も痛くて、しばらくこのままなのかな・・・と不安に思っていたところ、
木曜日、あれ?痛くない?と突然痛みから解放されて試しに・・・と陣馬山へ。

幸い、その後も痛みはありませんが、またいつ再発するかわからないし、
このところ去年に比べて一段年取ったなぁと感じていたので、ちょうど変わり目の年齢なのでしょうね。
仕事も忙しいしプライベートも色々ありで、自分が思うより身体がダメージ受けてたのかも。


どこにも痛みを感じずに歩けることのありがたさを感じた週末でした。



【行程】相模湖駅7:30→陣馬山頂10:10~11:00→藤野駅12:55








のんびりゆっくり鹿島槍

2013-10-25 | ヤマのこと

今頃夏山レポで季節感なくゴメンナサイ。やっと書き上がりました(^^;;


2013.8.10(土)~12(月) 初めての鹿島槍ヶ岳へ行ってきました。

夏休み、と言っても4日以上の連休はない我が家。
土日を利用してどこかへ行くつもりだったところへ、友人のJちゃんが急遽加わることになりました。
なぜならJちゃんの相棒も今年は仕事が忙しく、土日以外連休なく夏休みもなく高山に行けない。
女子一人での遠出は不安だけど我が家とならOK、とお預かりし、3人での山旅となったのでした。


 
待ち合わせ場所は早朝の扇沢バス停。新宿からの夜行バスが3人揃って押さえられなかった為です。
まあ、お互い夜行バスは慣れているので乗るバスを間違えさえしなければ自動的に扇沢へ。
無事合流し準備を整え”柏原新道”へ。


 
扇沢といえども夏は暑い。暑いの苦手な女子二人はすぐに汗だく。すぐに休憩。すぐにおやつ。
そんなんだからなかなか進まず、このまま種池で終わりでもいいよね~なんて早くもユルユル発言。
Jちゃんは私がプレゼントした”あまちゃん・北の海女”手ぬぐいを締めなおして気合を入れてくれました



柏原新道は緩やかで歩きやすい登山道(それなりに苦しかったけど(^^;;)
コバイケイソウの斜面の向こうに写真でよく見る赤い屋根が見えた。


 
この辺りはお花畑で・・・



とーても気持ちの良い場所でした。山荘前のベンチでランチを済ませ時計を見るとまだ11:30。
今日をこれで終わりにするにはやっぱりまだ早いと、冷池山荘目指して出発。



チングルマ咲くお花畑の脇を、まず目指すは”爺ヶ岳”




あらら・・・だんだんガスに覆われて・・・山頂着いたら真っ白でした。



爺ヶ岳からは緩やかにアップダウンを繰り返し、すぐ着くような気分でいたからまだかなまだかな・・・
と思ってたら前方にようやく冷池山荘が見えてきた。結構崖っぽい所に建っている感じでイメージと違った。


 
到着~♪この草の中が小さな冷池。
今回、このエリアならテント担いでもそんなに苦じゃなさそうだけど、
3人でテント1つじゃ狭いし2つじゃ無駄に重いし最近テン場は激混みらしいしどうしよう・・・
と悩んだ結果、大事なムスメを預かってるのだから、ここはどーんと(?)安全に小屋泊自炊としました。

種池・冷池の小屋はお盆時期は比較的空いているとの情報でしたが、やはり小屋にしてよかった。
トイレも超きれい、ウッディで広い小屋。混雑もなく一人一枚のお布団であっという間に眠りに着きました。



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翌朝、小屋の朝食準備からいい匂いがする中、ピストンなので身軽に出発です。
小屋からちょっと登るとテント場についた。
気持ちよさそうなロケーションですがウワサ通りトイレまでが遠く、小屋までの途中一箇所崩落箇所が。
酔っ払って夜トイレに行ったら私なら転げ落ちそう・コワイ笑



山頂はまだ見えていないけど、青空が眩しくて嬉しくて駆け出したくなるような気持ちよさ♪


 
まずは一つ目の”布引岳”へ。朝の気持ちの良い空気の中、雲がぐんぐん流れていく。



一旦下って今度はいよいよ鹿島槍ヶ岳、すらりと伸びた尾根が清々しい。



この辺りはお花畑で・・・



たくさんのお花が風にゆらゆらと。ミストが適度な潤いになって本当に気持ちの良い尾根歩きでした。


 
最後の一登り。ガスで見えていなかった周りの景色が、山頂に近づくと見えてきた。ワクワク


 
空が近くなったら・・・”鹿島槍ヶ岳2889m”到着~ ヤッタ、青空だ!



気持ちの良い天気になり、雲の中から色んな山々が姿を現した。目の前に剱岳。



遠くに槍ヶ岳のトンガリも見えてきた。眺めているだけで全然飽きない山頂、Jちゃんと保護者のツーショット(笑)

しばらく展望を楽しんだら、時間もたっぷりあるので行きますか、北峰へ。


 
下りの最初は高度感があって緊張したー!踏み外したらどこまで落ちるのかと思ったけど、
帰り、登りにとったらなんにも怖くなかったー。そんなものですね・笑



でも片道25分のCTじゃ着かないです、私。モタモタしてます。



吊尾根、イワイワ乗り越えて~~。


 
八峰キレットへの分岐を越えて一登りしたら「北峰」到着。めちゃくちゃ狭い山頂でした。
山頂標識になぜか蝉が止まってる(笑)ジィージィー賑やかに迎えてくれました。



こちら側から眺めるとなかなか迫力あるね~、南峰。

また来た道を南峰にもどり、おやつタイム。お名残惜しいけどきりがないので冷池山荘まで戻ります。



白馬方面はガスの中から姿を見せてはくれなかったけど、ずーっと山頂にいても飽きないほどの気持ちよさでした。



楽しい山だったねー。



ガスが寄せては返す・・・快晴ももちろんいいけど、こういう眺めも夏山らしくて好き。



お花畑で見た、初めての花。なんという花だったんだろう?→シナノナデシコ 教えていただきありがとうございました。


 
と楽しい尾根歩きを終え、冷池山荘に戻り、軽くお昼を済ませて最出発。
デポしたザックを背負い直し、昨日来た道を戻ります。




ここからは天気が良くて暑いー!なんて今考えれば贅沢な話ですが・・・風の通り道では気持ちよい尾根歩き。



途中一箇所だけコマクサが咲き残っている場所があり、槍とのツーショットを狙いましたがガスが切れませんでした。



昨日も登った爺ヶ岳。巻き道もあるのですが昨日はガスだったんだもの。
今日は今日で登らないとね、と登っていきました。


 
爺ヶ岳南峰の山頂でまったり流れる雲など眺めていたらガスが流れて、あれ?もしかして見えそう?



ヤッタネ!さっき歩いたのはあそこだ。南峰・北峰の双耳峰がどちらも姿を見せてくれました。

昨日とは違い、ガスはあるものの素晴らしい展望に恵まれ大満足で帰ります。



爺ヶ岳からはゆるやかな雲上の散歩道。こんなに気持ちいい山なのに山ガールには一度も会わず・笑
イマドキの山BOY&GIRLは来ないのか?静かなオトナの山域といった感じでとても気に入りました♪


 
種池山荘到着。今夜もここに泊まります。
無理すれば帰れないこともないのですが、車じゃない私たちがこの時間に降りても夜、温泉も入れず帰るだけ。
明日も休みだしなにもわざわざ暑い下界に(この日は36度の暑さだったらしい)戻る必要もない。
涼しい山の上で生ビール!夏山の醍醐味はこれですよ!日没まで宴会は続きました。



種池山荘の向こうに日が沈みます。




写真には全然撮れていないのですが、20時頃でもきれいな星空と流れ星が見れました。
昨夜はガスで見れなかったから、やっぱりもう一泊してよかったね。
この日も小屋は満室ではなく、一人一枚の布団でゆーーーっくり眠れました。

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最終日の朝。山で迎える朝は、なぜ何度体験しても心に響く美しさなのでしょう。



立山が浮かび上がり、



針ノ木の向こうに水晶岳のとんがりも見えた。わぁーーまた行きたいなぁ。


 
帰り際、小屋にいらした遭対協の方に三人の記念写真を撮ってもらってから帰りました。

いつもなら夫婦喧嘩勃発もある二人山行、女子が一人加わるだけで和やかで明るい山旅になった・笑
ポーター付きシェフ付きのお姫様(風)山行、こういうのもたまにはイイよね。
Jちゃんの相棒はこれなくて可哀想だったけど・・・女子的には楽しかったね


 
帰りも柏原新道を扇沢まで戻り、バスにて薬師の湯へ。
こうして無事保護者代わりもした山旅は、夏休みの楽しかった思い出として心に刻まれたのでした。


おしまい。



【行程】1日目:扇沢バスターミナル6:20→種池山荘10:50~11:30→冷池山荘14:25
    2日目:冷池山荘6:20→布引岳7:25→鹿島槍ヶ岳南峰8:15~8:35
       →鹿島槍ヶ岳北峰9:20~9:40→南峰10:08~10:30
       →冷池山荘12:00~12:40→爺ヶ岳14:25~15:00→ 種池山荘15:40 
    3日目:種池山荘6:10→扇沢バスターミナル9:10→長野駅→バスにて新宿駅

    ※かなりきままに歩いて・・・の時間なので参考にはならないと思いますスイマセン。











矢倉岳からリベンジ滝

2013-10-22 | ヤマのこと

2013.10.19(土) 箱根エリアの「矢倉岳」へ行ってきました。

この週末はめずらしく土日休みだったというのに天気がイマイチ。
当初は丹沢あたりの展望の良い山に行く予定だったけど、夕方から雨の予報にすっかり気分が↓
ならばさくっと登れる近場の山にしようと、友達と4人で新松田駅へ。


 
この時期の新松田駅はさすがに空いていた。地蔵堂行きのバスに乗り「矢倉沢」下車。
登山口方面へ進むと地場野菜の100円ショップがあって面白かった。




蕎麦の花は白、とばかり思っていた私”赤蕎麦”というのがあるらしく、あたり一面ピンクの蕎麦の花。
この時期に咲くという向日葵との競演が愛らしかった。



登山口からしばらくは急な舗装路を登っていく。今年はドングリが豊作のようでいっぱい落ちていた。



やっと土の道になったかと思えば・・・ええっ?!それは勘弁してっ!
スズメバチの季節は絶対に人の歩かない山には入らないと決めてこんな人の多い山を選んだのに!
スズメバチに刺されたことのある約2名、全速力で通り過ぎていきました。
注意書きの区間を終えて振り返ると3センチはあるようなデッカイスズメバチがぶい~~んと!
セーフ!岩場よりも鎖場よりも緊張するーーー!冷や汗ーーー




今日一番と思える緊張の場面を乗り越え、その後は気持ちも落ち着きワイワイのんびりハイキング。
といいながらも階段あったりとそれなりに登らされ・・・



なんとなく明るくなったと思ったらパーッと明るい山頂の「矢倉岳」に着きました。
なんとこの日、富士山が初冠雪だったという事で久しぶりの白い富士山にお目にかかれました。
そういえば今年初冠雪ってまだ?と思っていたので10月も半ばを過ぎての初冠雪は珍しいのではないかと。



天気のせいか?だあれもいない山頂。目の前に金時山や大涌谷を眺めながらのびのび~。
他愛もないおしゃべりをしながら早いランチをしていると、どんどん人が増えてきました。
ちょっと時間が早かっただけで、曇り空でもやっぱり人気の矢倉岳でした。


 
前回はこちらから登ったんだったっけ。さあ、滝目指して行きましょう。
こちら側はハチはいないけど、特にこれといったこともない植林のどちらかといえば飽きてしまう感じの・・・
落ちていた木の枝を拾って遊びながら進みます。



お花もセンブリが一箇所咲いていたぐらいの寂しい~~感じでした。


 
ようやく「セントラル広場」に到着。
そうですよ、ここは前回リタイヤした忘れもしない熱い夏の日、食料も水分も持たずに来て喧嘩したあの場所(笑)
さて、この先はどうなっていたのか?今日は検証します!

・・・・と意気込んで進むとなんと「洒水の滝」への道標の先に「崩落通行止め」のロープが!!

えー またここで終わり??


いや、そこで諦める訳には行きません。今回はスマホGPSがあるから大丈夫!
さらに進むともうひとつの「洒水の滝」への道標発見。なんだぁちゃんと書いておいてよ(笑)


 
・・・と進みましたが、あまり人が歩いていないような道でした。
鬱蒼としていたり倒木があったり何か出そうだったり・・・一人だったら歩きたくないような感じでしたが・・・



ようやく開けたところに出ると、大野山が見え・・・



前方遠くに滝が見えて一安心。わーい、ゴール


 
こうしてめでたく道迷いもなく「洒水の滝」に着きました。落差の大きいりっぱな滝でした。
残念なのは崩落の為、滝の真下には行けなかった事。

その後は徒歩で山北駅へ。「さくらの湯」で汗を流して・・・


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新宿へ戻り、夜景を見ながらオトナ飲み会。

 
A君のお誕生日会を懐石料理で締めくくり。
ところが飲み過ぎて記憶を失い、二次会に参加出来ず途中で私だけ一人敗退したという・・・オチ。


おしまい



【行程】矢倉沢登山口9:25→矢倉岳山頂11:00~11:50→セントラル広場→洒水の滝14:35













山で過ごす秋休み【涸沢~下山編】

2013-10-18 | ヤマのこと

岳沢~前穂高岳はこちら
吊尾根~奥穂高岳はこちら



翌朝。
曇予報で朝少しでも稜線が眺められたらいいな、という願いは全く届かず、
夜中に屋根を叩きつける強い風と雨の音。

天気予報は今日の午後曇だけど、翌日も雨~雪の予報であまりよくない。
昨日雨の中を登ってきた登山者たちも悩んでいて、もう一泊しても天気の回復は見込めない、
とほとんどの人が諦めて降りていった様子。
3回目来ても登れなかったからどうしても行きたかった、という女性と数名だけが雨の中奥穂ピストンしていた。

私たちも雨が小止みになるタイミングを見計らって8時、ザイテングラートを降りていく。
小屋で最後の出発になっちゃったみたい。スイマセン。


 
今日もなーーーんにも見えない。残念だけど。
濡れた岩は滑るからね、気をつけて行きましょう。もう絶対転べないカラダですから(汗)



初めて歩くザイテングラート。
ガスだから高度感がなくていいのかな?でも全く先も何も見えないのもミョーな怖さ・・・



滑らないでだいぶ傾斜が緩んだところまで降りてきましたよ、転ばなかった、ほっ。



あ、ぼんやり色が滲んで見えてきたと思ったら・・・涸沢だ。




さっきまでの色のない世界から一転、眩しすぎるほど色鮮やかに染まる木々たちの脇を歩く。



雨じゃなかったら、空が青かったら、最盛期だったらもっともっとキレイだっただろう・・・



でも雨でも十分美しかった。木々たちには恵みの雨だったのだろう。
水不足で困っていた小屋にも恵みの雨だったようだし、この日に来たのも巡り合わせだから仕方ない。




雨で体中びしょびしょで、カメラもレンズが曇って上手く撮れないけど、
それでもこの美しさから離れがたく、ずぶぬれになりながらパノラマコースを下って行った。



はー、着いたー。今季初めて紅葉見れた。涸沢ヒュッテまで降りてきました。
今日の予定は下るだけだから、曇りだったらヒュッテのデッキでまったり紅葉見物しよう、
と思ってたけど・・・それも叶わなかった。ま、仕方ないね。



コーヒーで一息入れ、残念だけど降りましょう。
本当は天気が良ければ北穂高まで登りかえして泊まる、なんてよくばりプランもあったけど。
またいつかチャンスがあるでしょう。バイバイ、穂高。




下山し始めると涸沢から下がまさに見頃、といった感じでとてもきれいでした。




あれ?・・・下山始めたら前方が明るくなって、常念岳の稜線が見えていますよ??




振り返り見上げる穂高側はまだ雲の中だけど・・・嫌な予感、と下山してたら、




ものすごい速さで雲が流れ、目の前に青空が!!!




振り返れば穂高の稜線がスッキリ。
・・・なんてこったぃ・・・下山したら晴れ、よくあるパターンだけど・・・ちょっといぢわる過ぎじゃないですか?
一瞬戻ろうか?と思うほど後ろ髪引かれしばらくここから動けなかった・・・(^^;;

あと1時間遅く下山していたら憧れの稜線をこの眼で・・・いや、タラレバだよね。
あの時点では誰も晴れるなんて思わなかったのだから。自分で下山を決めたのだから。



本谷橋まで降りてきてひと休み。明日から連休だからでしょう、金曜日でもものすごい数の人達が上がってきます。
皆、思いがけない青空の出現で笑顔で・・・悔しい(笑)
でもこの時期の涸沢の混雑が嫌で週末前に下山を決めていたのだから未練はない!げざーん!



屏風岩の脇を歩く頃には、眩しくて暑いほどの晴天に。
唐松の黄色がキラキラ輝いてキレイでした。



横尾に着いたら真夏のような暑さ。
昨日歩いた”前穂高岳”が見えた。あのギザギザのどれがピークだったんだろ?


 
下山してきたけれど今日はまだ帰りません。
徳沢園は(当たり前だけど)満室だったので、今日は徳沢ロッヂに泊まります。
ちなみにこの時期は平日でも横尾山荘も帝国ホテルも一杯で泊まるのは不可能でした。

日曜日の朝には下山しなければならないけど、もしかして明日から天気が回復するならば蝶ヶ岳に登って、
反対側から歩いた吊尾根と穂高の山々を眺めよう、という計画だったからです。
上高地を後にしてしまったら晴れても戻れないし。
ロッヂでゆっくり久々のお風呂に入ったりして、明日の天気に望みを繋いだ・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ところが。朝はやっぱりどんより。




(荒々しい前穂高岳)
夜中に唸る風の音、一晩中大荒れ。
異常気象のように暑かったこのエリアにも寒気が流れ込み、朝は普段の10月のように冷え込んでいた。

「今日はこの後、稜線は強風で雪になります、涸沢までならいいけれど稜線で吹雪にあえば動けません。
数年前の大量遭難の時のパターンと一緒ですから・・・・・・」と小屋の人が言う。

蝶ヶ岳なら大丈夫じゃない?明日は晴れ予報だもん。→蝶でも同じですって言われちゃった(^^;;
あまりにみんなにそう言っているので、こちらも段々気持ちが萎えてきて、
もういいか、無理して登らなくても、と気力がなくなってしまいました。(筋肉痛が酷くて行く気が失せたというウワサも)

多分、よっぽど過去の事故が酷かったのでしょうね。こうして忠告しないと無謀な登山者も中にはいるし。
この時期の天候の見極めは本当に難しいですね。

後で知ったけど、昨日の予定外の急な晴天は「擬似晴天」というものだったらしい。勉強になりました。
「擬似晴天」

さ。欲張っても仕方ない、帰りましょ。


 
連休初日ということもあり、早朝からものすごいスピードで先を急ぐ登山者たち。
上高地バスターミナルへ逆走する人は私たちくらい。いってらっしゃい!


河童橋に戻ったら来た時と同じ、やっぱりなーーーんにも見えなかった旅の終わりでした。。。



※この夜は初冠雪だったそうです。



【行程】穂高岳山荘8:15→涸沢出発(休憩後)10:40→横尾13:10(ランチ)→徳沢14:35
    徳沢→上高地バスターミナル






---------------------------ここからは旅行編のおまけ------------------------------------


さて、気持ちを切り替えてここからは旅行に変更。
でも突然今日泊まりたい、と言って泊まれないのが下界の辛さですが、無理といわれると余計に行きたくなる。
上高地から観光協会に電話したらどこも満室でしたが「民宿なら空いてます」というので行って見ることにした。
こういう行き当りばったりの旅は結構ワクワクして好きだったりする私です


 
行き先は大好きな「飛騨高山」平湯までバスで移動、そこから乗り継いで高山へ。
紹介してもらった民宿が想像よりもとっても素敵な宿で、オーナーのオジサマもとっても親切で感じがよかった。
あの小屋番さんとは大違い(まだ言うかw)こんな素敵な出会いも一期一会。なんと素泊り¥4200♪



まだ13時だというのに部屋に通して下さり、お風呂も沸かしてくれてさっぱり。重たいザックを置いて早速散策へ。



この時期のお楽しみと言えば・・・



日本酒!あっちの酒造、こっちの酒造と試飲しながらのそぞろ歩きは、
頭の中空っぽになって楽しめる大好きな時間。昼間のお酒はなぜこんなに美味しいの


 
大好物飛騨ラーメンやら飛騨牛やらと高カロリー摂取で食いだおれ。
こうして私の秋休みは終わりましたが、つい先日までの忙しさから少しの間開放され、リフレッシュできた気がします・・・が。



翌朝10/13日曜日。平湯温泉からの帰り、青空の中にスッキリ浮かび上がった笠ヶ岳が見え、
やっぱり登っておけば良かった、と思ったのは言うまでもありません。


おしまい。















山で過ごす秋休み【吊尾根~奥穂高岳編】

2013-10-17 | ヤマのこと

前穂高岳編はこちら

続きです。


すっかりガスに包まれてしまった紀美子平から、いよいよ奥穂高岳を目指して進んでいく。
わたしの苦手なトラバース道、だけど道幅はしっかりあるので足を滑らせなければ大丈夫なはず。




時々がっつり足を上げて越えなければいけない岩があったりするのだけれど、とにかく何も見えないので良く解らない。

途中ソロのオジサマとすれ違い「紀美子平まではあとどのくらいですか・・・?」と聞かれる。
オジサマも何も見えない中、寂しかったのかなぁ。吊尾根ですれ違った人はこの方だけだった。
私たちもあまりにも景色が変わらないので、二人とも写真も撮らず黙々と進んでいく。



分岐点とあるけれど、地図上に分岐はない。はて? 地図を広げて確認したり・・・
高度恐怖症の私にはもしかしてガスで良かったのかも知れないけど、あまりのガスっぷりはやっぱり辛い。
どこを歩いているのか?どんな景色なのか?前方には何があるのか?全く解らないまま約1時間半、
まるで苦行のようで、疲れもピークになった頃・・・



長い鎖場が現れた。あ、地図に合ったところまできたんだ!よし、頑張れ!滑らぬようにしっかり登りきって・・・



道標発見。”南稜ノ頭”もしかしてもうすぐ?奥穂高岳??




でもここまで何も見えないで来ているから距離感が全くわからない。
ただただ真っ白な中を歩き、疲労度もMAX、ペンキの○マークが動いて見える。
だいぶ疲れてるなぁ自分、と思ったら・・・雷鳥さん?



冬支度を始めていたんですね、足元から白くなって毛がこんもりしてきたようで・・・カワイイ♪
近づいてもちっとも逃げなくて、嬉しくて夢中で着いていったら・・・



あっ・・・。目の前にぼんやり浮かんだ奥穂高岳山頂。
そうか、雷鳥さんが導いてくれていたんだ。長々と何も見えない中歩いてきた私たちを慰めてくれたのかな。
雷鳥さんが神の遣いの様に思えて、嬉しく愛おしくて(雷鳥さんを)ギュッっとしたくなった



 
やったね!奥穂高岳3190mだ!
気高く美しく厳しい山、日本の穂高。その山頂まで辿り着くことができました。
あたりは真っ白でなにひとつ見ることは出来なかったけど、じんわり感じた達成感。
せっかく我々と雷鳥さんだけの貸切山頂だけど、じっとしてても何も見えず寒いので・・・撤収です。


 
さあ、穂高山荘まであと少し。山頂に着いた頃からガスは小雨に変わりますます見通しは悪くなりましたが、
奥穂高岳山頂から白出のコルまではこれまでと違い緩やかで歩きやすい道で助かりました。
ガスっているので急に目の前に現れたような鎖。ぼんやり眼下に赤いものが・・・あ、もう山荘なんだ。



最後の鎖と梯子は濡れていて滑りやすい。細心の注意をはらって降りていきました。



 
はー、やっと着いた。
髪の毛もびっしょり濡れたこんな時、小屋の存在のなんてありがたいこと!泊まります!



 
初めて訪れた「穂高岳山荘」なんてキレイでりっぱな山荘なのでしょうか。
日本の山岳史を知らない私でも、この小屋の取り組みや苦労、偉大さは知っていたけど、
それ以上にオーナーの山や登山者に対する思いがバシっと伝わってくる、素晴らしい小屋でした。
(昨日の小屋番さんで嫌な思いしたから、余計そう感じたのかもしれないけど)


 
ストーブの着いた自炊スペースで乾杯♪ ゆっくりと今日の疲れを癒します。
平日なのでゆったり。宿泊客は40人いないくらいだったでしょうか?みな思い思いの時間を過ごします。

3000mの稜線でこんな美味しい食事が戴けるなんて、と驚き、
三代目のご主人やスタッフの方々の温かな接客に心癒され、
居心地の良い太陽のロビー、暖炉とランプの明かりで穂高の美しい映像に酔いしれ・・・
こんな風に山の中で過ごせる時間がとても心地よく嬉しかった。


初めての穂高で楽しみにしていた稜線からの眺めも、燃えるような夕日も何も見ることは出来なかった。
でも小屋のスタッフ皆さんの親切で真面目な姿勢に今日ここに来て良かった、
と心から思うことが出来ました。山小屋のありがたさってそういうことなのかもしれませんね。




今日の台風一過の晴れ予報はすっかりハズレでした。山だから仕方ないといえばそれまでですが
明日の天気予報も良くありません、これ以上荒れることがないように、と祈りながら眠りに着きました。



涸沢へ。



【行程】紀美子平11:30→最低コル11:50→鎖場12:55→奥穂高岳山頂13:20→穂高岳山荘14:10




山で過ごす秋休み【岳沢~前穂高岳編】

2013-10-16 | ヤマのこと

2013.10.9(水)~10/12(土)上高地へ行ってきました。

ダンナの毎年恒例リフレッシュ休暇に合わせ、忙しい最中無理矢理もらった有給3日間。
去年の続きを笠までとかW五郎とかブナ立尾根からの裏銀座とか、歩きたいところは山ほどあったけど、
8月初旬に鹿島槍を歩いて以来、まともに山を歩いていない私。地図とにらめっこ&情報集めをするけれど、
10月のこの時期は昨年同様、既に小屋閉めしているところが多く、1日10時間ほど歩かねばならない区間もある。

仙骨がやっと治ったばかりで体調に自信が持てない上に、台風接近で天気が悪そう・・・。
だけどせっかく確保したお休みにどこにもいけないのは悲しすぎる!
ならば雨で歩けなかったとしても小屋で1日読書でも楽しめるエリアにしよう、
と急遽夜行バスをキャンセルし、営業小屋の多い上高地へ向かったのでした。



10/9、水曜日。この日は台風24号が通過する日。予定では少し西よりを通るとのことで、最悪の事態は免れそう。
今日は岳沢までだから何とかなるだろうと松本へ向かいましたが、上高地へ着いたらやっぱり雨・・・


 
しかも結構な降りっぷり^_^; 登山口までは平坦なので傘をさして行きました。


 
途中で雨が止んだり日が射したりと期待させられましたが、そう甘くはありませんでした。
全然風が吹いてない「風穴」を通り、樹林帯を抜けます。



ここ岳沢の紅葉のピークはちょっと前だったらしいです。
ガスっているのでイマイチですが、黄葉の美しい紅葉でした。


 
結局しっかりびしょ濡れになり「岳沢小屋」到着、この日は平日なので我々を入れて4組のみ。
こんな雨の日に物好きに登ってくる理由は、明日は台風一過で「晴」の予報だからです。
その翌日も雨予報になっています、お願い、明日一日のチャンス。どうか晴れて、と願うばかり。


 
(左:夕食  右:朝食)
小屋の夕飯は揚げたてのアジフライがとても美味しかったです。
明日を夢見て早く就寝。人が少ないので個室状態。
前日までの仕事疲れがあったのでゆっくりできて助かりました。



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夜遅くまで雨の音がしていたので気になって何度も目が覚めたけど、2時頃外を見ると星が一杯!
やった!期待できる、とまた寝なおして・・・朝。




小屋の前から見下ろす上高地は朝もやに包まれていました。
すっきり青空が広がる朝、緊張とワクワクが交差する一日が始まりました。


 
小屋の脇から前穂高までのCTは約3時間30分。岩稜歩きの経験はないに等しい私に歩けるのか不安・・・



イメージしていた通りに登り始めてすぐ急登になり、四肢を使って登って行く。のっけから息が切れる。
カモシカの立場に着く頃にはもう一汗かききってました。この時期にして本当に気温の高い上高地です。



岩をよじ登るような場所ではいつもナナメ掛けにしていたカメラがブラブラ邪魔で集中できない。
ザックの中にしまって、再度しっかり気を引き締めて歩くことにします。
経験者にアドバイスもらってザックも出来るだけ小さくして来たし、
昨日の雨の影響は少なく、岩も乾いている。何回か出てくる梯子も鎖も高度感なく怖いところはない。
むしろ怖いのは自分の体力のなさで・・・
ここに来る前にきちんとトレーニングしてこなかったことが悔やまれるけど・・・頑張るしかない。



「岳沢パノラマ」から後ろを振り返れば上高地ホテルの赤い屋根が小さい。
あんなに低く見えるようになった焼岳。いつも河童橋から見えていたあの斜面を今登っているんだね。


山歩きを始めたばかりの2007年に涸沢から見上げた「奥穂高岳」あんなところに小屋があるなんてと仰ぎ見た稜線。
あの頃、いつか行ける日が来るかな、と思っていたけどなかなかチャンスがなくて後回しになっていた。
これだけひっぱったのなら、奥穂高岳へ行くなら絶対”重太郎新道”から登りたい、そう決めていた。
りっぱな理由はないけれど、山歩きを続けていくうちに奥穂高岳はやはり特別な山だと感じ、
前穂高岳から目指してみたいと思ったから。

今回たまたまチャンスが巡ってきたのかもしれない、代替案だったけど気持ちだけは強く持ってここにきた。



経験がないのなら集中してひとつひとつ確かめながら登ろ。無心で登っていたら稜線がだいぶ近づいていた。
早くこの岩の向こう側の景色が見たい。



ところがだんだん稜線の向こう側の雲行きが怪しくなってきて・・・



雷鳥広場に着いた頃にはガスが。



腕がだいぶ疲れてきたなぁ、と思った頃、立ちはだかる斜面を登ると・・・



目の前に「紀美子平」が突然現れました。ここがあの紀美子平・・・。


岳沢から前穂高岳を目指していたのは小屋にいた我々4組だけ。平日だしこんな程度なんだと思っていたから、
紀美子平に着いて奥穂から来たらしき人達が10人ほどいて賑やかになって驚いた。

さて、ここでザックをデポして前穂高山頂をピストンしますが、ここまでの登りで相当疲れていた私。
登り始めの急斜面は疲れた身体にきつくて、休み休み登っていきました。
ダンナはあっという間に見えなくなり、一人ゆっくりと後を追います^_^;
こういう時、平日はやっぱりいい。自分のペースで登っていけるもんね。



途中まで来ると傾斜もほどほどになり登りやすくなりました。頑張れ、急げ!でも急げない・・・



ガスがーー!こないでー!


 
・・・という願い虚しくあたり一面真っ白で「前穂高岳3090m」山頂到着。
いま自分がどこに立っているのか?さっぱり解りませんでした・・・



 
待っていても晴れそうにもないので紀美子平まで戻りましたが、なんと往復に1時間20分もかかってた(笑)
お腹がペコペコだったので、岳沢小屋のお弁当を無心でほうばりました。




お弁当を食べながら眺める上高地。前穂高岳に登れた嬉しさはあるけれど、これからまだまだ先は長い。
天気は持ってくれるのだろうか。これから晴れてくれるのだろうか。お願いだから雨は止めてね・・・


吊尾根へつづく。



【行程】10/09 上高地バスターミナル12:15→岳沢小屋14:45
    10/10 岳沢小屋6:40→カモシカ立場7:50→雷鳥広場9:15→紀美子平9:35~前穂高岳~10:50
        紀美子平(昼食)出発11:30