2011.1.29 今年も「志の輔らくご・in PARCO」に行ってきました。
なかなか取れないこのチケット、今年も当たって行く事が出来ました。
※2月1日まで公演あります、ネタバレなのでここから先はご注意ください。
今年で
落語といえば古典、みたいなイメージとは違うのがパルコならでは?
着替えの間の映像とか、きっちりアートを絡ませてくる辺りがオシャレなのですー。
噺にちなんだグッズ販売も「さすが!」と唸らせる演出です。
さて内容ですが、モチロン演者は志の輔のみ。しかも今年は3時間もやってくれました・・・
1席目は「だくだく」
貧乏長屋に身体一つで引っ越してきた男が、隣に住む先生に相談し、金がないので家財道具や猫、
羊羹まで絵を描いてもらい、それらがある優雅な暮らしの「つもり」で生活を始める。
そこへあまりの絵の上手さに惹かれ(ド近眼の)泥棒が盗みに入ったが、絵だと知って激怒。
しかし、盗みに入って何も取らないのは盗人としてどうなの?じゃこちらも盗んだ「つもり」で・・・という古典の滑稽話。
バカバカしさの描写がたまらない1席。
2席目は「ガラガラ」 新作
商店街の福引を担当することになった役員二人が、1等の商品に世界一周旅行と張り込んだ。
順調に福引が進み、商店街も盛り上がり大成功のはずが、午前中に出たはずの1等が、今また出た。
慌てふためいて調べると、1本の当たりの筈が7本も入れてしまったいうミスに気づく二人。
商店街会長が来て客に間違いを謝り、慌てて残りの当たり玉を客の前で取り除こうとしたところ、
1等にお金を掛けすぎて2等以下の当選数を表示より少なく入れた、という偽装工作を会長に告白。
これ以上の過ちを客の前で言えるはずもなく、当たり玉を抜こうとしたガラガラを開けるに開けられず…
あたふたする人々、やけっぱちで壊れていく会長の姿(大爆笑)・・・なハナシ。
という、志の輔得意の(?)日常のトラブル勃発ネタ。
以前何度もこの手の噺を見てますが、とにかく志の輔の描写はすごい。
「そこまで発展する?」とか、オチが「そうくるか!」という想像もつかないところで落としてくれるのがたまりません。
(昨年の身代わりポン太はすごかった)
彼の頭の中はいったいどうなっているのでしょう?といつも思います
バニー姿の女性と志の輔、宝くじ抽選会の大きなルーレット2台が登場し、爆笑の中、幕となりました。
その後、中入りで先ほどの抽選会は本物で、会場の一人に当たった賞品をバニー姉さんが届けてくれるというビックリ企画もあり。
そして3席目は「大河への道」
昨年の大河ドラマ「坂本竜馬」の話題がマクラ。
そこから志の輔師匠が公演の途中で千葉県佐原市の「伊納忠敬記念館」へ行ったとき、
色々な感動を受け、是非これを落語にしたいと思って構想を練ったけど、
落語というのは偉い人は出てこないものでなかなか話が作れず4年経った・・・
今年こそは!と作った新作だそうです。
千葉県庁が伊能忠敬を主人公に大河ドラマを作ろう!という話から始まり、
県庁のまじめな職員二人と、脚本家のやりとりで笑わせるのだけど、
いつしか舞台は脚本家が作った伊能忠敬が、55歳から歩き始めたという現在では考えられないほどの苦労、
伊
そして日本という国の形すら誰も見たことのなかった時代に、自分の足で歩いて作った地図が、
現在のものとほとんど違いがないほど精巧だったということ・・・
それを志の輔師匠が熱演、本当に鳥肌が立つほどに素晴らしく、そして最後はじーん・・・と。
泣かせていただきました
最後は自分の足だけで歩いて測量した伊
まるで一つの映画を見終わったのと同じ感動が押し寄せてくるのです。
こんな話は志の輔師匠にしか作れない、そして話せないと思う。マジで大河ドラマに・・・(笑)
拍手喝采で幕を降ろした、今回も素晴らしい3時間でした。
志の輔師匠のどこが好きかと言われれば、やはり毎回「一流の仕事」をきっちり見せてくれるところなんだろうな、と思うのです。
伊