■メイン写真
須知城跡から見た美女山
■今回のコース
道の駅 丹波マーケス→黒尾橋登山口→展望台→市森分岐→美女山→寺谷分岐→
上野・岩ヶ谷分岐→志和賀峠→熊崎峠→大滝池分岐→須知城跡→琴滝→道の駅 丹波マーケス
京丹波に、標高は482mの低山ではあるが、美女山という魅力的な名の山がある。
うまく尾根をたどれば、須知城跡、琴滝と合わせて周回できる。
展望を考えると冬のこの時期がいいのではと考え、歩いてきた。
果たして美女に会えるのか。
美女山の山名の由来はいくつかある。
まずは、山容が、美女が横たわっている姿に似ているという説。
そのほか、美女の眉に似ているという説。
また、「眉の上」から、「眉上山」が転訛したという説があるそうだ。
麓の住所を調べると、「船井郡京丹波町上野美女」で、「びじょう」と読むようだ。
もとの発音は「びじょう」で、縁起のいい漢字を充てたのかもしれない。
黒尾橋登山口から山に入る。
はじめの数分は植林だが、じきに雑木林に変わる。
積雪数センチ、緩んだ雪がベタッと残っていて滑りやすい中を登る。
この雪質では、仮にアイゼンを装着しても無駄だろう。
いきなり、なかなかの急坂である。
標高約350mあたりで「展望台」の標識がある。
人工物はないが、ここから西側の眺めが広がる。
分岐ごとに立派な標識がある。
先行者はおらず、雪面にはトレースがないのでルートは紛らわしい。
美女山の山頂に到着。なんだかんだで45分ほどかかった。
山頂からは、北西方面の京丹波の峰々が見える。
五条山、笹尾谷山、明神山、三峠山あたりが見えているのかな?
広々とした山頂のケルン。あとは三角点と山名表示の標石がある。
寺谷分岐、上野・岩ヶ谷分岐を経て、紅白の送電線鉄塔の下をくぐる。
志和賀峠に到着。進行方向左手に氷結した池がある。
志和賀峠の先で、右に大きく鋭角に折れる。
P405の手前で、ピンクのリボンに従って急坂を下ると熊崎峠だ。
このあたりの地形は微妙で、リボンに大いに助けられる。
作業林道が横切る熊崎峠からは、植林の急斜面を一気に登る。
この日は雪がついて、どこが登山道なのかよく分からなかったので
登りやすそうなところを見極めながら登った。
小さなアップダウンが続き、P386の手前で、再び右に大きく鋭角に折れる。
地形図に記載がある、北西から南東方面に続く送電線は今は撤去されてなくなっている。
次の送電線鉄塔へは、若いソヨゴのブッシュを漕いだが、雪がなくなれば
登山道が見えてくるのかもしれない。
大瀧池へ下る道を見送り、尾根筋をたどる。小ピークをひとつ越えたところで
右へ、ピンクのリボンをたどり急坂を下る。
琴滝分岐も直進すると、須知(しゅうち)城跡は近い。
いきなり目の前に現れたのは、主郭の石垣。高さは4~5mくらいか。
すばらしい石垣である。
須知城は、地元の有力者だった須知氏が室町時代に建てたのがはじまり。
戦国時代になり、明智光秀が織田信長の命を受け丹波攻めを行う。
須知氏は、もとは織田についたが、のちに離反。城は明智に攻め落とされた。
この石垣は、明智軍が入ってから城の改修が行われて造られたものらしい。
本能寺の変の後、廃城となった。
二の郭のには、高さ1~1.5mの石積みが残る。
城跡からは、丹波ICが眼下に見える。
分岐から、植林の中を琴滝に向かって下る。
落差43mの琴滝。垂直な岩壁から落ちる水の軌跡が、13本の琴の弦のように
見えることが由来だ。
この日は水量が少なかったが、それでも4~5本の琴の糸がはっきり分かる。
なお、琴滝は、町の売り込みもあって、映画やドラマのロケ地によく使われる。
調べたところ、上川隆也主演のドラマ「遺留捜査SP」、鈴木亮平主演のWOWOW
ドラマ「宮沢賢治の食卓」、岡田准一が土方歳三役で主演した映画「燃えよ剣」
などがあるという。
滝の左側には、岩壁がくり抜かれ不動明王がいらっしゃる。
琴滝のすぐ手前までクルマが入れ、大きな駐車場や公衆トイレもある。
その車道を進み、玉雲寺の前を通る。
明智光秀ゆかりの寺だ、秋は石段のモミジが美しい。
あとは車道を1kmちょっとで、クルマを停めた道の駅 丹波マーケスに戻った。
道中、美女はもちろん、誰にも会うことはなかった。