Mr.Dashのぶろぐ館

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2024年7月24日(水) 夏でも涼しい西大台、原生的森林に癒される!

2024年07月25日 | 山登りの記録

■メイン写真
逆峠へ向かう尾根道にある、カボチャ型の巨大ミズナラ


■今回のコース
大台ヶ原駐車場→大台教会→周回道分岐→ナゴヤ谷上流部の平坦地→中ノ谷渡渉点→
七つ池→カツラ谷渡渉→コウヤ谷渡渉→開拓跡→ワサビ谷渡渉→開拓分岐→ミズナラ巨木→
展望所→開拓分岐→吊橋2つ→タタラ力水→周回道分岐→大台ヶ原駐車場


去年、荒天のため中止になった西大台への山行。今年は無事に実施できた。
灼熱の平野部・市街地に比べ、大台ヶ原はやっぱり涼しい。
朝、駐車場に到着した時の気温は22度だった。

西大台は、環境省が定める日本初の利用調整地区で、入山するには、自然公園法に
基づき、あらかじめ申請手続(有料)が必要だ。
また、入山当日に大台ヶ原ビジターセンターで10分ほどのビデオを視聴し、
遵守事項などを学んでから出発となる。

手前味噌になるが、せっかくなら大台ヶ原について多角的な研修を積んでいる
「大台ヶ原登録ガイド」に案内してもらうのがいいと思う。

まずは大台教会に参拝。
すぐ先の西大台の入口にはパトロールの係員がいて、氏名のチェックを受ける。
また、外来種の種子を持ち込まないように、靴底をマットに擦ってからエリアに入る。

周回ルートは、反時計回りが主流。我々も、反時計回りに行く。

開けた広場のような場所に出る。その真ん中をナゴヤ谷が流れている。
渡渉して、右へ行けば松浦武四郎の分骨碑へ、周回路は左だ。

江戸末期から明治の人である松浦武四郎は、蝦夷地の探検家で、北海道(北加伊道)の
名付け親としても知られる。
晩年に大台ヶ原探検を3度も行い、明治22年(1889年)にここに分骨された。

ナゴヤ谷を渡り、美しい樹林帯の中を進む。

ミヤマトウバナかな?

コケがきれい。しばらく雨が降っていないのか、触るとカピカピに乾いている。

七つ池。といっても池があるわけではない。
昔はどのような姿だったのだろう。
長距離の"渡り"をする蝶、アサギマダラが一頭、ひらひらと飛んでいた。

トリカブトは、日本全国で亜種が多く、このあたりではカワチブシと呼ぶ。
福岡で「タンコウブシ」、高知で「カツオブシ」と呼ぶかどうかは知らない(笑)。

こういう癒しの空間が西大台の魅力。

最近、シカ除けゲートが増えている。
このように周回ルート上のハイカーが入れる柵もあれば、従来からの、外部の者が
入れない柵もある。

中ノ谷を渡渉する。前半戦は数回の渡渉があるが、今回はいずれも水量が少なく、
たやすく渡れた。西大台でガイドする際に最も気を遣うのが渡渉なので。

頭上を見上げると、そこにはまた違った世界が広がっている。

沢沿いに平坦な地形が広がる開拓跡に到着。
正午は少し回ってしまったが、ここで昼食タイム。トイレブースも設置されている。

この地には、明治2年に京都宇治の興聖寺が開拓のため入山したが、冬の気象条件が
厳しく撤退。翌年からも地元の人たちが開拓を試みたが、やはり失敗した。
西大台は「手つかずの原生林」のエリアだと思い込んでいる人も多いが、じつは人の
手が入った跡がいくつもある。

ワサビ谷を渡ってからも、平坦地はしばらく続く。
このあたり、バイケイソウでいっぱいだったのに、ほとんど姿を消した。
不思議なこともあるものだ。

このあたりで巡回中の男性係員に遭遇。
われわれ入山者は、所定のネームプレートを首から下げ、パトロールの係員に
出会ったら提示しなければならない。
こちらのお客様のひとりが、この男性とお知り合いだったのには驚いた。

開拓分岐。右は小処へ続く道、左は周回路。まずは右に進み、展望所をめざす。

緩い坂を少し上がったところに、根元がカボチャのような形をした巨大ミズナラがある。
なぜこんな形なのか不思議だが、圧倒的な存在感である。

そのすぐ先が展望所で、向かいに東大台、大蛇嵓と蒸籠嵓が見える。
中ノ滝は、水量が少なすぎて水流が見えなかった。

景色を楽しんだあとは、先ほどの開拓分岐まで引き返す。

イケマの花を見つけた。

バライチゴの花。

周回路に戻り、赤い吊り橋を二つ続けて渡る。
つり橋は古くなったため、昨年秋ごろに改修工事が行われ、今シーズンは
新しくなった。以前よりも鮮やかな赤色になり、揺れにくくなった気がする。

ゴールの駐車場へは、長い上り坂となる。
ガレ場の長い坂を、まずは標高差100mほど登っていく。
ここまで涼しく歩いてきたが、いよいよ汗が噴き出てくる。

ユニークな形の根。

扁平な形からヒラタクワガタかと思ったが、帰宅してからアゴの形をよく見たら
どうもヒメオオクワガタのようだ。さすが西大台自然が濃い。

道端の大きな倒木に、碍子(がいし)が付いている。
大正時代、大台ヶ原の気象情報をいち早く麓の林業組合に伝えるために
引かれた電話線の名残だ。当時、大台協会が大いに貢献したらしい。

ナガレヒキガエル。

左に大きな岩が見えてきた。タタラ力水(ちからみず)だ。
あまり雨が降っていないのか、湧き水は地面を濡らす程度になっていた。

ヤマホトトギス。もう咲いていた。

トラバース道を進み、橋を渡る。

美しいナゴヤ谷の清流が見えてきた。

もうひとつ橋を渡る。
前半部は、できるだけ自然の地形に手を加えない山道で、沢も渡渉するように
なっているが、後半はこうして、なかば遊歩道のようになっているところが多い。

最後は笹の斜面を一気に登るし、もとの入山ゲートに戻る。
係員が待ってくれていて、出迎えてくれた。
この日の入山は我々パーティー9名のみだというので、なんだか申し訳ない。

駐車場に着いて、物産店でコーヒーなどで休憩したあと、クルマに乗り込んで
ドライブウェイを走り始めたら、すごい勢いで雨が降り始めた。
あれに遭わなくてよかった、よかった。


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