Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

梅棹忠夫著「山をたのしむ」(山と溪谷社)は読みごたえタップリ!!

2010年02月09日 | 山に関する本やマンガ
ハードカバー360ページ、厚さは3cmを越え、ずっしりと重い。
なんと価格も2600円という、気合の一冊だった。

民族学の第一人者として知られる梅棹先生が、これまでにあちこちで
書き綴って来られた文章や、対談を一冊にまとめたものである。

Mr.Dashが出た中学校、茨木市立西陵中学校は、吹田市との境にあった。
よって、万博記念公園内にある梅棹先生の国立民族学博物館には何度となく通ったものだ。

首狩族の首のミイラの模型や、日本の伝統家屋の模型、太平洋に浮かぶサンゴ礁の島の丸木舟など、
少年の冒険心、好奇心は、大いに揺さぶられたものだ。
ギターを覚えてからは、ここに展示されている世界の弦楽器に見惚れたものだ。

梅棹先生は、京都大学学士山岳会(AACK)での活動が知られているが、
先生の登山の原点は、中学校時代の京都北山へのトレッキングだったという。

いやぁ奇遇。先生には足元も及ばないMr.Dashも、中学で野外活動部に入り、
よく通ったのが北山である。中でも雲ヶ畑から直谷方面は、よく行った。
北山での部活動こそ、これまでの私の山人生の原点でもあり、そこだけでも
梅棹先生との共通項があって嬉しい。

もっとも、Mr.Dashにとって吉田山は高すぎる山で、足を踏み入れようとするやいなや、
その足をスパーンと切られたので、そのへんで勝負あったという感じなのだが。
(そういえば、待兼山という、これまた高い山もあったなぁ)

で、がんばって通勤電車の中で、毎日読んだ。

共感したフレーズがある。失礼を承知で引用する。

「わたしはずっと学問をやってきましたが、ひとつ大きな心張り棒といいますか、背骨に
 なっているのは、やはり登山の体験(中略)です。登山は怖いですよ。生半可なことでは
 死にますからね。山へ行くときには本当にはっきりしたリーダーシップがいるんです。
 わたしは若いときからリーダーとしての訓練を受けました。これが学問に活きているんです」

Mr.Dashで言えば、まさに「学問」を「仕事」と置き換えられる。
会社でそんなリーダーシップを発揮できているかと言われれば自信はないが、
少なくとも100名所帯の山岳部の代表をさせてもらっている。
その中で、部員それぞれの人格の重さ、生活の重さ、山にかける情熱と、
前向きに精一杯生きる力、そして仲間を思う心・・・
カッコよすぎる言葉ではあるが、そんなものをヒシヒシと感じてきて、
それが、次の私の活力とリーダーシップに変わっていく。。。

もう一つ、共感した部分。先生は岩登りオンリーのクライマーを否定する。

「わたしら山へ行くというたら、ひたすらにピークを目ざすというより山全体を
 見るわけです。村をぬけて、沢をあるき、岩壁が出てきたらそれに取りついて
 頂上にのぼる。もちろん積雪期には、スキーやアイゼンをはいた山歩きもやる。
 そういうふうに、山全体をだきかかえるようなことなんです。巨大な山群に
 取りついて、自由なるワンダリングをやる。そのたるに多種多様な登山技術を
 身につける。オールラウンドです。」

そうそう。これこれ。これだったんです。山の魅力の深さ。
山、高きが故に尊しからず。
里山も好き、アルプスも好き。富士山より高く空気も薄かった海外の山も好き。
ロッククライミングも、沢登りも、クロスカントリースキーも、
紅葉狩り、キイチゴ摘みまで好き。
月を背に、焚き火にあたりながらギターをつまびくのも好き。

山を多面的に愛する梅棹先生に激しくひかれた。

で、気になってネットで梅棹先生をいろいろ調べたら、
ん???
秘書に見覚えのある名前が。。。
校正だとか、神長さんと仕事したって言ってらしたから、符合するところもあるなぁ?

それに、確かにその方も、山を身体全体で楽しんでおられる。
いつもは一緒にバカ話ばっかりして大笑いしているけど。
あと2週間くらいで会う機会があるので、聞いてみるか。



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