■メイン写真
第2見晴台から見た支笏湖。バックは紋別岳
■今回のコース
恵庭岳登山口(丸駒橋駐車場)→登り専用ルート分岐→下り専用ルート分岐→見晴台→
第2見晴台→(往路を戻る)→恵庭岳登山口
第1班の2日目は、支笏湖の北側にそびえる活火山、恵庭岳へのピストン山行だ。
「エニワ」とは、アイヌ語の「エ・エン・イワ」で、「頭のとがった岩山」の意味という。
その通り、立入禁止の山頂は、烏帽子のような尖峰である。
丸駒橋の手前、恵庭岳登山口の無料駐車場は7:40時点でほぼ満車状態だった。
なんとか、最後のスペースに駐車できた。
大きな堰堤の横を抜ける。
岩に「↑登山口」とペンキ印がある。
その先でふたたび、「恵庭岳登山口」の道標。ここから山道がスタートする。
ツルアジサイがあちこちで満開を迎えていた。
花も葉も、関西で見るのよりサイズがでかい。
標高500mあたりで、ちょっとした岩場が出てくる。最初の急登の始まりだ。
この短い岩場、周辺は、やけに涼しい。
岩の下でズボンが冷たいなと思ったら、細い岩の隙間から冷たい風が
吹き出していた。ミニ風穴である。
エゾマツ林の日陰は涼しいが、日なたに出ると突然、暑さを感じる。
カンバやミズナラの樹林帯になり、標高900mを超えたあたりで、ふたたび急登が始まる。
固定ロープが、感覚的には50m以上続く急坂だ。
危ないので、登山道は登り専用と下り専用に分かれている。
岩場のほうがまだマシなのだが、ここはボロボロの火山性の土の斜面だ。
途中、支笏湖が見える。思えばけっこう、登ってきたものだ。
やがて前方が開け、大きな一枚岩「見晴台」に出る。
昨年の下見の際は、ガスで何も見えなかったのだが、今回はピーカンの絶景。
眼下の支笏湖が輝いている。これは嬉しい!
しかもタルマエソウも咲いていた。これも嬉しい!
頂上の岩峰も間近だ。
ただ、日光が照りつける一枚岩は、反射もあって暑い、暑い。
景色を楽しむのもほどほどに、行動に移す。
頂上の岩峰は、崩落の危険性が高いという理由で立入自粛要請がなされている。
文句を言われない最高点である「第2見晴台」へ向かう。
稜線のぎりぎり北側の樹林の中を巻きながら進むのだが、これだけで
なかなかの涼しさ。心地いい風が吹いていた。
頂上直下の荒れた斜面からは、硫黄臭をともなう噴煙が上がっている。
恵庭岳は、支笏湖三山の中では、樽前山に次いで若い活火山だ。
標高は約1200m地点がゴールの「第2見晴台」だ。
「恵庭岳1320m」の表示板は、文字がもう薄くなって読み取れない。
ここから先は、立札とロープで"通せんぼ"してある。
山頂の岩峰には人影があり、どうも、かなりの人がここから先に進み、恵庭岳の
最高点を踏んでいるようだ。
この日も実際に、何人かの人影が認められたし、それほど難しそうでもなかった。
イオウゴケが群落をつくっていた。
コケと名がつくが、地衣類の一種で、硫黄臭がする場所を好むようだ。
別名、モンローリップ。
下山は、来た道を戻る。
例の難所、長い固定ロープの急坂ポイント。
ここは登りよりも厄介。ゆっくり慎重に下る。
ロープに全体重を預けざるを得ないところもあるが、ロープそのものは
頑丈なものなので安心。
よくあるトラロープは強度がないので頼ってはいけない。
標高を下げていくとともに、暑さがつのる。
大汗をかいて下っていくと、往路、風穴を発見した岩場に戻ってきた。
ここで一人ずつ、クールダウンする。
吹き出す風の温度を測ったら13.8度であった。
下山後は、支笏湖畔のポロピナイ食堂に寄って休憩する。
ソフトクリームやパフェなど、めいめい好みのスイーツを注文して涼をとる。
土曜日ともあって、ポロピナイ食堂は観光客、水遊び客でいっぱいだった。
なお、支笏湖は、ずっと「水質日本一」に君臨していた美しい火山湖だ。
透明度は摩周湖、倶多楽湖、赤沼(蔦の七沼)に続く4位で、透明度はなんと17.5m
だという。深さは田沢湖に次いで深い360mある。
湖面の標高が約250mなので、湖の底は海面下となる。
この日はホテルで夕食を摂り、みんなで乾杯。
翌日、第1班の皆さんは、予定通りお昼の便で伊丹に戻っていった。
それから約2時間後、第2班のお客様たちが、伊丹からやってきた。
支笏湖畔の山旅はまだ続く。
[この日見かけた花たち]
■イチヤクソウ
■ズダヤクシュ
■ササバギンラン
■イワヒゲ
■マイヅルソウ
■タルマエソウ
■ランの一種。特定できず。